1 本院が求めた是正改善の処置
独立行政法人科学技術振興機構(以下「機構」という。)は、特許権の管理業務のうち、単独で保有する外国特許権を維持するために必要となる特許料の納付業務を国内特許事務所に委託し、又は社団法人新技術協会(以下「協会」という。)に請け負わせている。しかし、国内特許事務所が受託した業務を自ら行わず、外国特許事務所や特許料を代行して納付する業務を主力事業とする代行法人に再委託等していたり、協会が請け負った業務を自ら行わず、代行法人を下請として行わせていたりしていて、機構が代行法人と直接契約することとした場合と比較して、割高な手数料を支払っている事態となっていた。
したがって、機構において、国内特許事務所に委託し、又は協会に請け負わせている単独で保有する外国特許権の特許料の納付業務について、代行法人と直接契約して手数料の節減を図る処置を講ずるよう、独立行政法人科学技術振興機構理事長に対して平成22年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求めた。
本院は、機構本部において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、機構は、本院指摘の趣旨に沿い、国内特許事務所に委託し、又は協会に請け負わせていた単独で保有する外国特許権の特許料の納付業務について、23年度から代行法人と直接契約して手数料を節減する処置を講じていた。