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  • 平成22年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第35 独立行政法人住宅金融支援機構|
  • 平成20年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

賃貸住宅貸付けにおける賃貸条件の制限違反について


賃貸住宅貸付けにおける賃貸条件の制限違反について

1 本院が要求した適宜の処置及び求めた是正改善の処置

 独立行政法人住宅金融支援機構(以下「機構」という。)は、旧住宅金融公庫の賃貸住宅貸付けについて、借受者が住宅の賃貸に当たり、賃借人から礼金等の金品を受領したり、その他賃借人の不当な負担となることを賃貸の条件としたりしてはならないこととしている。しかし、借受者等において賃貸条件の制限があることについての認識が欠如していたり、機構において賃貸住宅の実態調査について本店から支店へ明確な指示をしていなかったりなどしたため、借受者が賃借人から礼金を受領しているなど賃貸条件の制限に違反している事態が見受けられた。
 したがって、機構において、賃貸条件の制限に違反している71件の貸付けについて、借受者に対して賃借人に礼金の返還等を行わせるとともに、他の全ての賃貸住宅貸付けについて賃貸条件の制限違反の有無を調査して、違反しているものがあれば速やかに同様の処置を講じ、また、借受者等に賃貸条件の制限が遵守されるよう周知を図り、実態調査を毎年確実に実施するなどの処置を講ずるよう、独立行政法人住宅金融支援機構理事長に対して平成21年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正の処置を要求し及び是正改善の処置を求めた。

2 当局が講じた処置

 本院は、機構本店において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、機構は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。
ア 賃貸条件の制限に違反していた71件の貸付けについては、22年6月までに借受者に対して、賃借人への礼金の返還を行わせるなどした。
イ 上記の71件を含む既に調査を終了していたもの以外の賃貸住宅貸付けについては、23年6月までに全対象者に調査票を送付するなどして調査を行い、賃貸条件の制限に違反していた貸付けについては、借受者に対して、賃借人への礼金の返還を行わせるなどした。
ウ 賃貸条件の制限に関する周知については、21年11月以降、機構のホームページに掲載するとともに、借受者や不動産仲介業者等に改めて周知を行うなどした。
エ 毎年の実態調査の実施については、23年3月に実態調査の実施方法等を定めた調査要領を策定の上、同年4月から実態調査を開始し、毎年確実に実施することとした。