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  • 平成22年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • (第12 阪神高速道路株式会社)|
  • 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項

料金収受業務契約の予定価格の積算に当たり、硬貨計数機等の損料等を重複して計上することのないよう算定方法を改めるなどして備品費等の積算を適切なものとするよう改善させたもの


料金収受業務契約の予定価格の積算に当たり、硬貨計数機等の損料等を重複して計上することのないよう算定方法を改めるなどして備品費等の積算を適切なものとするよう改善させたもの

科目 管理費用
部局等 阪神高速道路株式会社本社、2管理部
契約名 平成21年度料金収受業務(大阪・京都地区)等4契約
契約の概要 料金所に収受員等を配置して、高速道路を通行する利用者から通行料金を収受するなどの業務を行わせるもの
契約金額 134億4025万余円 (平成21、22両年度)
契約の相手方 阪神高速トール大阪株式会社、阪神高速トール神戸株式会社
契約 平成21年4月、22年3月 随意契約
料金収受業務契約における備品費等の積算額 2億6942万余円 (平成21、22両年度)
上記のうち低減できた積算額 5030万円

1 業務の概要

(1) 料金収受業務の概要

 阪神高速道路株式会社(以下「会社」という。)の大阪、神戸両管理部(以下「2管理部」という。)は、管内の料金所の料金収受業務を阪神高速トール大阪株式会社及び阪神高速トール神戸株式会社にそれぞれ随意契約により請け負わせて実施しており、平成21、22両年度における契約件数及び契約金額は、21年度2件、67億9890万余円、22年度2件、66億4134万余円、計4件、134億4025万余円となっている。
 この料金収受業務は、会社が管理する料金所に収受員等を適宜配置して、高速道路を通行する利用者から通行料金を収受するなどの業務を行うものである。

(2) 業務費の積算

 2管理部は、料金収受業務契約(以下「業務契約」という。)の予定価格について、会社制定の「料金収受業務設計積算基準」並びに「平成21年度料金収受業務設計積算実施要領」及び「平成22年度料金収受業務設計積算実施要領」(以下、これら二つの要領を合わせて「要領」という。)に基づき、次のとおり積算している。

予定価格
人件費
現場管理費
一般管理費等
消費税相当額

 このうち現場管理費は、光熱水費、備品費、車両費、雑費等から構成されており、その積算については、本社が要領に定める現場管理費単価表を用いて行うこととされていて、備品費、車両費及び雑費の具体的な算定方法はそれぞれ次のとおりとなっている。

ア 備品費は、現場管理費単価表に示された備品損料と計数機等損料及び保守料を合計して算定する。この備品損料は、請負者から報告を受けた前々年度の実績額(以下、単に「実績額」という。)に基づき、また、計数機等損料及び保守料は、製造業者等から徴した硬貨計数機、紙幣整理機等(以下、これらを合わせて「硬貨計数機等」という。)の損料及び保守料に係る見積額に基づき、本社がそれぞれの年間所要額を管理部ごとに算定したものである。
イ 車両費は、現場管理費単価表に示された償却維持費、燃料費等を合計して算定する。このうち、償却維持費は、本社が定めた車両1 台当たりの償却費等の年間所要額である償却維持単価に台数を乗ずるなどして算定したものである。
ウ 雑費は、本社が請負者から報告を受けた実績額に基づき、その年間所要額を管理部ごとに算定したもので、現場管理費単価表に示された額とする。

2 検査の結果

(検査の観点、着眼点、対象及び方法)

 本院は、本社及び2管理部において、経済性等の観点から、業務契約の予定価格の積算が適切に行われているかなどに着眼して、前記の4契約を対象として、契約書、設計書等の書類を確認するなどの方法により会計実地検査を行った。

(検査の結果)

 検査したところ、2管理部は、前記4契約の予定価格の積算に当たり、備品費、車両費及び雑費(以下「備品費等」という。)について、それぞれ計1億2448万余円、計6966万余円及び計7527万余円、合計2億6942万余円と算定していた。
 しかし、備品費等の積算に用いる現場管理費単価表に示された備品損料等は年間所要額が管理部ごとに一括して計上されていることから、その算定内容や算定の基となった実績額の内訳について確認したところ、次のような事態が見受けられた。

〔1〕  硬貨計数機等の損料については、計数機等損料及び保守料の算定対象とする一方で、備品損料の算定の基となった請負者から報告を受けた実績額にも計上されていた。

(大阪、神戸両管理部)

〔2〕  硬貨計数機等の保守料については、計数機等損料及び保守料の算定対象とする一方で、雑費の算定の基となった請負者から報告を受けた実績額にも計上されていた。

(神戸管理部)

〔3〕  車両の償却費については、償却維持単価の算定対象とする一方で、備品損料の算定の基となった請負者から報告を受けた実績額にも計上されていた。

(神戸管理部)

 したがって、現場管理費単価表を用いて積算した備品費等には、硬貨計数機等の損料及び保守料や車両の償却費が重複して計上される結果となっていた。
 以上のように、備品費等の積算において硬貨計数機等の損料及び保守料や車両の償却費が重複して計上されていた事態は適切とは認められず、改善の必要があると認められた。

(低減できた積算額)

 前記の4契約に係る備品費等の積算について、計数機等損料及び保守料又は備品損料に重複して計上されていた硬貨計数機等の損料及び保守料や車両の償却費を控除するなどして修正計算すると計2億1904万余円となり、前記の積算額2億6942万余円を約5030万円低減できたと認められた。

(発生原因)

 このような事態が生じていたのは、会社において、要領に定める現場管理費単価表の備品損料等の算定に当たり、その算定内容についての検討が十分でなかったことなどによると認められた。

3 当局が講じた改善の処置

 上記についての本院の指摘に基づき、会社は、23年3月に、硬貨計数機等の損料及び保守料や車両の償却費を重複して計上することのないよう、備品費等の算定方法を改めるなどした23年度料金収受業務設計積算実施要領を制定し、これに基づいて23年度の業務契約を締結するなどの処置を講じた。