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  • 平成22年度|
  • 第6章 歳入歳出決算その他検査対象の概要|
  • 第1節 国の財政等の概況

国が資本金の2分の1以上を出資している法人


第2 国が資本金の2分の1以上を出資している法人

 平成22年度末において国が資本金の2分の1以上を出資している法人(清算中の法人等を除く。以下同じ。)は、政府関係機関3法人、独立行政法人96法人、国立大学法人及び大学共同利用機関法人(以下「国立大学法人等」という。)90法人、政府関係機関、独立行政法人及び国立大学法人等以外の法人(以下「その他の法人」という。)20法人、合計208法人(注1) である。これらの法人の財務の状況を示すと以下のとおりである。

 政府関係機関には独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門が含まれるため、独立行政法人国際協力機構については、政府関係機関と独立行政法人の双方に計上しているが、法人数の合計においては1法人としている。

1 資産、負債及び純資産の状況

(1) 資産、負債及び純資産

 22年度末において国が資本金の2分の1以上を出資している法人の貸借対照表の資産の部の合計は575兆9529億余円、負債の部の合計は509兆7269億余円及び純資産の部の合計は66兆2259億余円(うち政府出資金の額46兆9306億余円)である。このうち、政府出資金の額が1兆円以上の法人について、その状況を示すと次のとおりである。

法人名 資産の部
(百万円)
負債の部
(百万円)
純資産の部
(百万円)
(政府出資金)
(百万円)
株式会社日本政策金融公庫 36,789,867 32,400,307 4,389,560 5,359,898
独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門 11,193,799 2,624,731 8,569,067 7,622,555
日本郵政株式会社 9,648,973 1,266,168 8,382,804 8,003,856
株式会社日本政策投資銀行 14,830,957 12,434,852 2,396,104 1,453,480
独立行政法人福祉医療機構 5,438,330 3,322,664 2,115,666 2,058,178
独立行政法人中小企業基盤整備機構 10,871,026 10,552,557 318,469 1,113,837
独立行政法人都市再生機構 14,933,364 14,149,359 784,005 1,056,168
独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構 41,152,748 32,990,381 8,162,367 3,800,771
国立大学法人東京大学 1,315,091 252,609 1,062,482 1,003,549

 なお、独立行政法人(独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門を除く。)の資産の部の合計は325兆6781億余円、負債の部の合計は302兆3946億余円、純資産の部の合計は23兆2834億余円(うち政府出資金の額は16兆9655億余円)であり、また、国立大学法人等の資産の部の合計は9兆9217億余円、負債の部の合計は2兆9723億余円、純資産の部の合計は6兆9493億余円(うち政府出資金の額は6兆0549億余円)である。

(2) 延滞債権等

 22年度末において国が資本金の2分の1以上を出資している法人のうち貸付け等を行っているもので、民間金融機関のリスク管理債権(注2) の開示基準を参考にするなどして、延滞債権等の状況を各法人において開示しているものが11法人ある。このうち、22年度末の延滞債権等の額の合計が1000億円以上のものについて、その状況を示すと次のとおりである。

法人名 〔1〕 破綻先債権 〔2〕 延滞債権 〔3〕 3か月以上延滞債権 〔4〕 貸出条件緩和債権 合計 貸付金等残高
(百万円) (百万円) (百万円) (百万円) (百万円) (百万円)
株式会社日本政策金融公庫 68,332 675,120 3,015 818,318 1,564,787 29,009,231
独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門 25,088 593,826 618,915 11,076,227
株式会社日本政策投資銀行 6,811 107,931 259 49,210 164,212 13,067,978
独立行政法人福祉医療機構 15,927 39,611 13,542 110,863 179,945 5,065,444
独立行政法人日本学生支援機構 15,015 209,527 46,591 138,742 409,877 6,757,605
独立行政法人住宅金融支援機構 196,146 810,846 163,360 1,542,824 2,713,178 31,995,873
(注2)  民間金融機関が、銀行法(昭和56年法律第59号)及び銀行法施行規則(昭和57年大蔵省令第10号)により開示を義務付けられているもので、以下に掲げる4区分に該当する貸出金について、その額及び合計額を開示することとなっている。
〔1〕  破綻先債権  元本又は利息の取立て又は弁済の見込みがないものとして未収利息を計上しなかった貸出金のうち、更生手続開始の申立等の事由が発生した債務者に対する貸出金
〔2〕  延滞債権  元本又は利息の取立て又は弁済の見込みがないものとして未収利息を計上しなかった貸出金であって、〔1〕 及び債務者の経営再建又は支援を図ることを目的として利息の支払を猶予したものを除く貸出金
〔3〕  3か月以上延滞債権  元本又は利息の支払が約定支払日の翌日から3か月以上遅延している貸出金(〔1〕 及び〔2〕 を除く。)
〔4〕  貸出条件緩和債権  債務者の経営再建又は支援を図ることを目的として、金利の減免、利息の支払猶予、元本の返済猶予、債権放棄その他の債務者に有利となる取決めを行った貸出金(〔1〕 、〔2〕 及び〔3〕 を除く。)

2 損益の状況

 22年度末において国が資本金の2分の1以上を出資している法人で、当期利益金を計上しているものは178法人、当期損失金を計上しているものは29法人、損益を計上していないものは2法人である。当期利益金又は当期損失金を計上している法人のうち、翌年度繰越損失金を計上しているものが26法人であり、翌年度繰越損失金の額の合計は3兆3415億余円である。このうち、翌年度繰越損失金が1兆円以上の法人について、その状況を示すと次のとおりである。

法人名 22年度の△損失金(百万円) 22年度末における翌年度繰越△損失金(百万円)
株式会社日本政策金融公庫 △886,503 △1,126,453

 なお、独立行政法人のうち、22年度において当期利益金を計上しているものは73法人、当期損失金を計上しているものは21法人、損益を計上していないものは2法人、また、国立大学法人等のうち、22年度において当期利益金を計上しているものは87法人、当期損失金を計上しているものは3法人である。

3 国からの補助金等及び政府出資額の状況

 22年度末において国が資本金の2分の1以上を出資している法人に対して、事務及び事業を実施するために交付された国からの補助金等及び政府出資額は13兆8389億余円である。
 このうち、政府関係機関及びその他の法人に対する国からの補助金等及び政府出資額の状況は、次のとおりである。

区分 政府関係機関(百万円) その他の法人(百万円)
補給金 42,228 7,500
補助金 571 1,601,956
交付金 411 7,447,059
政府出資額 104,600 10,000
147,811 9,066,516

 また、独立行政法人(独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門を除く。)及び国立大学法人等に対する国からの補助金等及び政府出資額の状況は、次のとおりである。

区分 独立行政法人(百万円) 国立大学法人等(百万円)
施設整備費補助金 127,203 98,182
運営費交付金 1,549,493 1,158,540
その他の補助金等 1,153,237 96,747
政府出資額 441,229
3,271,163 1,353,469