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  • 国会及び内閣に対する報告(随時報告)|
  • 会計検査院法第30条の2の規定に基づく報告書|
  • 平成23年10月

独立行政法人における運営費交付金の状況について


4 所見

(1) 検査の結果の概要

 独立行政法人における運営費交付金の状況について、合規性、経済性、効率性、有効性等の観点から、〔1〕 運営費交付金の交付状況はどのようになっているか、また、運営費交付金の額の算定は適切なものとなっているか。〔2〕 運営費交付金債務を業務の進行に応じて収益化する基準の採用状況はどのようになっているか、また、採用した基準は、独法会計基準等にのっとり、制度の趣旨及び各独立行政法人の業務の実態等に沿ったものとなっているか。〔3〕 中期目標期間の最終年度における運営費交付金債務の期末処理の状況はどのようになっているか、また、国庫に納付される額は適切なものとなっているかなどに着眼して検査を実施した。
 検査の結果の概要は次のとおりである。

ア 運営費交付金の額の算定については、控除対象自己収入の額とその実績額との間に相当なかい離が生じているものが見受けられた。

イ 運営費交付金に係る収益化基準の採用状況については、業務と運営費交付金との対応関係が明らかであると認められることから業務達成基準又は期間進行基準を採用することが可能であり、かつ、法人の業務内容からみて、これらの収益化基準を採用することにより業務の進捗状況を反映して適切に収益化を行うことになると認められるのに、費用進行基準のみを採用している法人が見受けられた。

ウ 中期目標期間の最終年度における運営費交付金の処理と積立金の国庫納付の状況については、中期目標期間の最終年度末まで業務運営の財源に充てられずに残った運営費交付金債務の額等が、前期からの繰越欠損金があるなどのため、国庫納付されず、法人内部に留保されているものが見受けられた。

(2) 所見

 独立行政法人は、国から多額の運営費交付金の交付を受けて運営されており、明確な中期目標の下で、自主的・機動的な組織運営と弾力的な財務運営に努めることなどにより、国民のニーズに即応した効率的な行政サービスを提供することが要請されている。
 そのため、独立行政法人においては、より効率的な業務運営に努める必要があるとともに、国の資金の有効活用の観点から、運営費交付金の額の適切な算定及び不要財産の国庫納付に努める必要がある。
 したがって、以上の検査の状況を踏まえ、独立行政法人及び関係府省においては、次の点に留意することが必要である。

ア 独立行政法人及び主務府省において、運営費交付金の額の算定に当たり、控除対象自己収入の額がその実績額と相当かい離している場合は、法人における自己収入の増加に対する動機付けにも留意しつつ、適切な額を控除する。

イ 費用進行基準のみを採用している法人において、業務と運営費交付金との対応関係が明らかであり、業務の達成度の確認が可能である場合又は業務の実施と財源との間に期間的な対応関係がある場合は、業務達成基準又は期間進行基準を採用することについての見直しを行う。

ウ 中期目標期間の最終年度末まで業務運営の財源に充てられずに残った運営費交付金債務の額等が国庫納付されずに法人内部に留保されている場合は、遅滞なく、保有する必要性等があるかなどについて検討を行い、不要財産であると認められたものについては国庫納付の手続を行う。

 会計検査院としては、今後とも独立行政法人における運営費交付金の状況について引き続き注視していくこととする。

(注1)から(注5)までの該当法人
独立行政法人名 注1 注2 注3 注4 注5 独立行政法人名 注1 注2 注3 注4 注5 独立行政法人名 注1 注2 注3 注4 注5
国立公文書館     ○ ○   海洋研究開発機構 ○ ○       農業者年金基金   ○   ○ ○
国民生活センター   ○   ○ ○ 国立高等専門学校機構 ○         経済産業研究所 ○        
北方領土問題対策協会   ○   ○ ○ 大学評価・学位授与機構 ○   ○   ○ 工業所有権情報・研修館          
沖縄科学技術研究基盤整備機構 ○         国立大学財務・経営センター     ○   ○ 産業技術総合研究所 ○ ○      
情報通信研究機構 ○         日本原子力研究開発機構   ○       製品評価技術基盤機構   ○ ○ ○ ○
統計センター           国立健康・栄養研究所 ○   ○ ○   新エネルギー・産業技術総合開発機構 ○ ○      
平和祈念事業特別基金   ○       労働安全衛生総合研究所 ○   ○ ○ ○ 日本貿易振興機構          
国際協力機構 ○         勤労者退職金共済機構       ○   原子力安全基盤機構   ○      
国際交流基金           高齢・障害者雇用支援機構       ○   情報処理推進機構 ○        
酒類総合研究所 ○         福祉医療機構   ○   ○ ○ 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 ○ ○      
国立特別支援教育総合研究所 ○   ○ ○ ○ 国立重度知的障害者総合施設のぞみの園       ○ ○ 中小企業基盤整備機構 ○        
大学入試センター           労働政策研究・研修機構     ○ ○   土木研究所          
国立青少年教育振興機構 ○ ○       雇用・能力開発機構 ○   ○ ○   建築研究所          
国立女性教育会館           労働者健康福祉機構 ○   ○     交通安全環境研究所   ○      
国立科学博物館 ○         国立病院機構 ○         海上技術安全研究所 ○     ○  
物質・材料研究機構 ○ ○       医薬品医療機器総合機構     ○   ○ 港湾空港技術研究所 ○   ○ ○ ○
防災科学技術研究所           医薬基盤研究所 ○     ○   電子航法研究所 ○   ○ ○ ○
放射線医学総合研究所 ○         農林水産消費安全技術センター     ○ ○ ○ 航海訓練所 ○ ○      
国立美術館 ○         種苗管理センター     ○ ○ ○ 海技教育機構 ○ ○ ○ ○ ○
国立文化財機構 ○         家畜改良センター           航空大学校 ○   ○ ○ ○
教員研修センター ○         水産大学校 ○   ○ ○ ○ 自動車検査     ○ ○ ○
科学技術振興機構 ○         農業・食品産業技術総合研究機構 ○ ○ ○ ○ ○ 鉄道建設・運輸施設整備支援機構   ○   ○ ○
日本学術振興会 ○         農業生物資源研究所 ○   ○ ○ ○ 国際観光振興機構       ○ ○
理化学研究所 ○ ○       農業環境技術研究所 ○   ○ ○ ○ 自動車事故対策機構 ○   ○ ○ ○
宇宙航空研究開発機構 ○ ○       国際農林水産業研究センター ○   ○ ○ ○ 国立環境研究所          
日本スポーツ振興センター   ○   ○ ○ 森林総合研究所 ○   ○ ○ ○ 環境再生保全機構   ○ ○   ○
日本芸術文化振興会       ○ ○ 水産総合研究センター ○   ○ ○ ○ 駐留軍等労働者労務管理機構          
日本学生支援機構 ○ ○       農畜産業振興機構 ○ ○   ○ ○ 計 47 25 27 36 32