国家公務員の赴任に伴う旅費のうち着後手当は、国家公務員等の旅費に関する法律(昭和25年法律第114号)等により、新在勤地に到着後、新住居を見つけるまでの間のホテル等の宿泊料や挨拶等に要する費用に充てるために支給するものとされており、内国旅行の着後手当については、新在勤地に到着後直ちに職員のための国設宿舎等に入る場合は同法第46条の規定に基づく減額調整を行うこととされている。しかし、在外公館の長等については、ほぼ全ての場合において、新在勤地に到着後直ちに、無料で貸与を受けることとなる公邸に入居しているのが実態であるのに、外務省は、外国旅行による転任の際の着後手当については、特に減額調整を行うことなく支給していた。
したがって、外務省において、着後手当の支給に当たっては、在外公館の長等の宿泊の実態に即して減額調整するなどの処置を講ずるよう、外務大臣に対して平成23年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求めた。
本院は、外務本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、外務省は、本院指摘の趣旨に沿い、24年2月に通知を発して、着後手当の支給については、同年4月以降、在外公館の長等の宿泊の実態に即して、新在勤地に到着後、新住居を見つけるまでの間にホテル等の宿泊料を要する場所に宿泊しない場合には、着後手当を減額調整することとする処置を講じていた。