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  • 平成23年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第5 外務省|
  • 平成22年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

環境・気候変動対策無償資金協力事業の実施状況について


(3) 環境・気候変動対策無償資金協力事業の実施状況について

1 本院が表示した意見

 外務省が行う環境・気候変動対策無償資金協力事業に当たって、相手国に代わって調達を行う法人との調達代理契約を締結して資機材の調達等を行うこととしている事業のうち、贈与日が平成22年3月以前で、22年度末において贈与日から1年以上が経過している35事業について検査したところ、同契約が所定の期間内に締結されていなかったり、贈与日から1年以上経過した時点においても、事業の実施工程表(以下「工程表」という。)が作成されておらず完了予定年月が定まっていなかったりしている事態が見受けられた。
 したがって、外務省において、贈与した資金がより効率的に活用されるよう、贈与日から1年以上経過した時点においても工程表が作成されていない事業について、相手国に対して早急に事業の具体化及び進捗を促すなどするとともに、贈与日が同年4月以降で既に実施されている事業や、今後、調達代理方式によって同事業を実施する場合については、事業の的確かつ迅速な実施が図られるよう、協議会を適時に開催して工程表を早期に作成するなど事業の進捗管理を徹底したり、事業に遅れがみられた場合にはその進捗を促したりするなどして、相手国に対する協議及び働きかけを徹底するよう、外務大臣に対して23年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。

2 当局が講じた処置

 本院は、外務本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、外務省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

ア 贈与日から1年以上経過した時点においても工程表が作成されておらず完了予定年月が定まっていなかった17事業について、相手国に対して協議及び働きかけを行い、早急に事業の具体化及び進捗を促すなどした。なお、その結果24年9月までに、16事業については工程表が作成され、残りの1事業については、協議及び働きかけを引き続き行っていた。

イ 贈与日が22年4月以降で既に実施されている21事業について、相手国に対して、協議会を開催して工程表を早期に作成するなど事業の進捗管理を徹底したり、事業に遅れがみられた場合にはその進捗を促したりなどするよう、協議及び働きかけを行った。そして、今後、新たに調達代理方式によって同事業を実施する場合にも同様に対応していくこととした。なお、23年度末までに、既に実施されている21事業の全てについて工程表が作成された。