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  • 平成23年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第7 文部科学省|
  • 不当事項|
  • 補助金

私立学校施設整備費補助金(防災機能強化施設整備事業)が過大に交付されていたもの


(6) 私立学校施設整備費補助金(防災機能強化施設整備事業)が過大に交付されていたもの

2件 不当と認める国庫補助金 49,601,000円

  私立学校施設整備費補助金(防災機能強化施設整備事業)は、私立の高等学校等における防災機能の強化を図ることを目的として、校舎等の耐震補強工事等を行う学校法人に対して、当該事業に要する経費の一部を国が補助するものである。
  この補助金の交付額は、校舎等の耐震補強工事等に係る経費を補助対象経費として、これに、校舎等の耐震性能を数値化した構造耐震指標の値が0.3以上の場合には補助率3分の1以内、より耐震性能の低い0.3未満の場合には補助率2分の1以内を乗じて算定することとなっている。
  本院が、5都府県の9学校法人において会計実地検査を行ったところ、2都県の2学校法人において、補助対象経費に補助対象外の工事費を含めるなどしていたため、国庫補助金49,601,000円が過大に交付されていて、不当と認められる。
  このような事態が生じていたのは、学校法人において補助対象経費の算定方法等についての理解が十分でなかったこと、都県において実績報告書等に対する審査が十分でなかったことなどによると認められる。
 これを部局等別に示すと次のとおりである。

部局等 補助事業者
(事業主体)
補助事業 年度 補助対象経費

左に対する国庫補助金交付額

不当と認める補助対象経費

不当と認める国庫補助金 摘要
千円 千円 千円 千円  
(36) 東京都 学校法人東京成徳学園 東京成徳大学高等学校校舎防災機能強化施設整備 21 130,527 65,263 15,833 7,916 補助の対象外

 学校法人東京成徳学園は、上記の事業として平成21年度に実施した耐震補強工事等に係る経費を対象として、補助対象経費130,527,000円に補助率2分の1を乗じて、国庫補助金65,263,000円の交付を受けていた。
 しかし、同法人は、補助の対象である耐震補強工事に伴い必要となる工事とは認められない衛生設備工事に係る工事費を補助対象経費に含めていた。
 したがって、適正な工事費により補助対象経費を算定すると114,694,307円(国庫補助金57,347,000円)となり、国庫補助金7,916,000円が過大に交付されていた。

(37) 神奈川県 学校法人聖和学院 聖和学院中学高等学校校舎防災機能強化施設整備 20,21 316,669 158,333 14,508 41,685 補助率の適用を誤っていたものなど

 学校法人聖和学院は、上記の事業として平成20、21両年度に実施した耐震補強工事等に係る経費を対象として、補助対象経費316,669,000円に補助率2分の1を乗ずるなどして、国庫補助金158,333,000円の交付を受けていた。
 しかし、同法人は、補助の対象である耐震補強工事とは全く関連がない備品等の付替えなどに係る工事費を補助対象経費に含めていたり、構造耐震指標の値が0.3以上である校舎等の耐震補強工事等については補助率3分の1以内を適用すべきところを2分の1を適用したりしていた。
 したがって、適正な工事費により算定した補助対象経費302,163,880円に適切な補助率を適用するなどして国庫補助金を算定すると116,648,000円となり、国庫補助金41,685,000円が過大に交付されていた。

(36)-(37)の計 447,196 223,596 30,341 49,601