障害者自立支援給付費負担金(以下「負担金」という。)は、障害者自立支援法(平成17年法律第123号)に基づき、障害者及び障害児(以下「障害者等」という。)の福祉の増進を図ることなどを目的として、市町村(特別区を含む。)が、都道府県知事の指定する障害福祉サービス事業者等から生活介護等の障害福祉サービス等を受けた障害者等に対して、介護給付費、訓練等給付費等(以下「自立支援給付費」という。)を支給した場合に、その支給に要する費用の一部を国が負担するものである。
負担金の交付額は、交付要綱等に基づき、次のように算定することとなっている。
〔1〕 所定の方式により算定した基準額と、自立支援給付費の支給に要した費用(以下「対象経費の実支出額」という。)等から寄附金その他の収入額を控除した額とを比較して少ない方の額を選定する。
〔2〕 〔1〕 により選定された額を国庫負担対象事業費として、これに100分の50を乗じて得た額を交付額とする。
本院が、23都道府県の127市区町において会計実地検査を行ったところ、次のような事態が見受けられた。
部局等 | 補助事業者 (事業主体) |
年度 | 国庫負担対象事業費 | 左に対する国庫負担金交付額 | 不当と認める国庫負担対象事業費 | 不当と認める国庫負担金交付額 | 摘要 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(162) | 福岡県 | 田川郡香春町 | 22 | 167,887 | 83,943 | 2,988 | 1,494 | 経費を二重に計上していたものなど |
香春町は、対象経費の実支出額の算定に当たり、誤って生活介護等に係る自立支援給付費を二重に計上するなどしていた。
この結果、国庫負担対象事業費が2,988,119円過大に算定されており、これに係る負担金1,494,059円が過大に交付されていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同町において事務処理が適切でなかったため適正な実績報告を行っていなかったこと、福岡県において事業実績報告書の審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。