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  • 平成23年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第9 農林水産省|
  • 不当事項|
  • 補助金|
  • 補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの|
  • (1) 補助の対象とならないなどのもの

農業共済事業事務費負担金の対象経費に、交付対象とならない経費を含めていたもの


農業共済事業事務費負担金の対象経費に、交付対象とならない経費を含めていたもの

(2件 不当と認める国庫補助金 18,843,809円)

 農業共済事業事務費負担金(以下「事務費負担金」という。)は、国が、農業災害補償法(昭和22年法律第185号)に基づき、農業共済組合(以下「組合」という。)等が行う共済事業等に関する事務の執行に必要な経費の一部を負担するものである。
 「農業災害補償法第14条の規定による事務費国庫負担金等交付要綱」(昭和45年45農経B第1207号農林事務次官依命通知)等によると、事務費負担金の対象経費は、人件費、旅費、庁費等とされており、固定資産の取得に係る支出及び固定資産の価額を増加させることとなる支出(以下、これらを合わせて「固定資産の取得等に係る支出」という。)は、事務費負担金の交付対象とならないことになっている。
 本院が、28都道府県管内の57組合等において会計実地検査を行ったところ、2組合において、事務費負担金の対象経費に、交付対象とならない固定資産の取得等に係る支出等を含めていたため、事務費負担金が過大に交付されていて、不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、2組合において事務費負担金の適正な算定方法等に対する理解が十分でなかったこと、農林水産本省において事務費負担金の審査及び確認並びに2組合に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。
 これを事業主体別に示すと次のとおりである。

  部局等 補助事業者等 間接補助事業者等 補助事業等 年度 事業費 左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費 不当と認める国庫補助金等相当額
            千円 千円 千円 千円
(200) 農林水産本省 中信農業共済組合
(事業主体)
農業共済事業事務費負担金 18〜21 1,795,462 1,789,024 18,939 12,501

 中信農業共済組合(長野県松本市所在)は、平成18年度から21年度までの間に、事務費負担金の対象経費を計1,795,462,794円とする実績報告書を農林水産本省に提出して、これにより事務費負担金計1,789,024,000円の交付を受けていた。
 しかし、同組合は、事務費負担金の対象経費に、固定資産の取得等に係る支出に該当する事務室の空調設備及びアスファルト舗装の新設工事に係る工事費等、交付対象とならない経費計18,939,986円を含めていた。
 したがって、これらの経費を除いた適正な対象経費により事務費負担金の額を算定すると、計1,776,522,808円となり、前記の事務費負担金の額計1,789,024,000円との差額計12,501,192円が過大に交付されていて不当と認められる。

(201) 農林水産本省 西三河農業共済組合
(事業主体) 
農業共済事業事務費負担金 20、21 484,823 472,720 18,446 6,342

 西三河農業共済組合(愛知県安城市所在)は、平成20、21両年度に、事務費負担金の対象経費を計484,823,891円とする実績報告書を農林水産本省に提出して、これにより事務費負担金計472,720,000円の交付を受けていた。
 しかし、同組合は、事務費負担金の対象経費に、借り上げた建物を事務室として使用できるようにするための改修工事の工事費のうち、〔1〕 固定資産の取得等に係る支出に該当するOAフロア及び空調設備の新設工事等に係る工事費、〔2〕 愛知県農業共済組合連合会から補助金を受けていて同組合が実質的に負担していない工事費等、交付対象とならない経費計18,446,508円を含めていた。
 したがって、これらの経費を除いた適正な対象経費により事務費負担金の額を算定すると、計466,377,383円となり、前記の事務費負担金の額計472,720,000円との差額計6,342,617円が過大に交付されていて不当と認められる。

(200)(201)の計         2,280,286 2,261,744 37,386 18,843