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  • 平成23年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第9 農林水産省|
  • 不当事項|
  • 補助金|
  • 補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの|
  • (1) 補助の対象とならないなどのもの

食農連携促進施設整備事業の補助対象事業費に、補助の対象とならない経費を含めていたもの


食農連携促進施設整備事業の補助対象事業費に、補助の対象とならない経費を含めていたもの

(1件 不当と認める国庫補助金 2,353,526円)

  部局等 補助事業者等 間接補助事業者等 補助事業等 年度 事業費 左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費 不当と認める国庫補助金等相当額
            千円 千円 千円 千円
(207) 沖縄総合事務局 有限会社ポルシェ食品
(事業主体)
食農連携促進施設整備 21 261,097 122,524 5,015 2,353

 この補助事業は、農林水産省が公募により事業主体として選定した有限会社ポルシェ食品が、地域の農産物を活用した新商品等の事業化を促進するため、地元の農家が生産した紅いもを原料としたペーストを製造する工場の建築及び機械の購入を行ったものである。
 本件補助事業に係る公募要領、実施要領等によると、国庫補助金の交付申請を行うに当たっては、事前に課題提案書を農林水産省に提出して審査を受け、補助金交付候補者として選定されることが必要とされており、また、国庫補助金の交付決定前に締結した契約に係る経費は補助対象経費に含めてはならないこととされている。
 同会社は、平成21年6月に課題提案書を提出して本件補助事業に応募し、同年8月に補助金交付候補者として選定された後、同月に沖縄総合事務局(以下「事務局」という。)に国庫補助金の交付申請を行い、同年9月に事務局から交付決定を受けていた。その後、同会社は、本件補助事業を事業費261,097,784円(国庫補助対象事業費同額)で実施したとして、事務局に実績報告書を提出して、これにより国庫補助金122,524,152円の交付を受けていた。
 しかし、同会社は、補助金交付候補者として選定されるよりも前に契約した工場の建築工事に係る設計業務等の委託費5,015,400円を国庫補助対象事業費に含めて実績報告書を提出し、事務局は、これに基づき額の確定を行い、国庫補助金の交付を行っていた。
 したがって、補助金交付候補者として選定されるよりも前に契約した上記の委託費5,015,400円は補助の対象とは認められず、これに係る国庫補助金相当額2,353,526円が不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、同会社において本件補助事業に係る実施要領等の理解が十分でなかったこと、事務局において本件補助事業の審査及び確認並びに同会社に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。