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  • 平成23年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第9 農林水産省|
  • 不当事項|
  • 補助金|
  • 補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの

山芋貯蔵施設が遊休化していて、補助の目的を達していなかったもの


(5) 補助の目的を達していなかったもの

2件 不当と認める国庫補助金 39,796,223円

山芋貯蔵施設が遊休化していて、補助の目的を達していなかったもの

(1件 不当と認める国庫補助金 34,982,335円)

  
  部局等 補助事業者等 間接補助事業者等 補助事業等 年度 事業費 左に対する国庫補助金等交付額 不当と認める事業費 不当と認める国庫補助金等相当額
            千円 千円 千円 千円
(228) 九州農政局 鹿児島県 熊毛郡(注) 屋久町
(事業主体)
集落営農経営確立支援 12 88,637 44,318 69,964 34,982
 平成19年10月1日以降は熊毛郡屋久島町

 この補助事業は、屋久町が、地域農業における効率的な農業生産を確保するため、加工用の原料として収穫した山芋を劣化させないように一定の温度で貯蔵する施設として建物1棟(延べ床面積592.0m2 )及び冷蔵庫4基を整備したものである。
 同町は、本件補助事業に係る実施計画において、同町内の麦生(むぎお)、原両集落の農家によって設立された麦生・原集落営農組合(以下「営農組合」という。)と、同町から本件施設の管理運営の委託を受けた屋久島農業協同組合(平成18年4月1日以降は種子屋久農業協同組合。以下「屋久島農協」という。)とが一体となって本件施設を効率的に活用していくこととしていた。
 しかし、検査したところ、営農組合は、山芋の収量が向上せず販売不振になったことなどを理由として16年度末までに活動を休止し、屋久島農協は、17年3月31日に同町との委託契約を解除して本件施設の管理運営から撤退していた。また、本件施設の冷蔵庫に係る電力使用量を確認したところ17年4月以降は継続的な使用実績がなかったことから、本件施設は、同月以降、実施計画に沿った利用が全く行われていなかったと認められる。
 したがって、本件補助事業により整備した本件施設(17年3月末残存価額69,964,671円)は、補助の目的を達しておらず、これに係る国庫補助金相当額34,982,335円が不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、同町において本件施設を補助の目的に沿って適切に活用しなければならないことについての認識が十分でなかったこと、鹿児島県において同町に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。