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  • 平成23年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第9 農林水産省|
  • 不当事項|
  • 補助金|
  • 補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの

仕入税額控除した消費税額に係る交付金を返還していなかったもの


(6) 補助金を過大に受給していたもの

2件 不当と認める国庫補助金 2,326,453円

仕入税額控除した消費税額に係る交付金を返還していなかったもの

(2件 不当と認める国庫補助金 2,326,453円)

  部局等 補助事業者等 間接補助事業者等 補助事業等 年度 事業費 左に対する国庫補助金等交付額 不当と認る事業費 不当と認める国庫補助金等相当額
            千円 千円 千円 千円
(230) 沖縄総合事務局 沖縄県 宮古島市

農事組合法人鏡原さとうきび生産組合
(事業主体)

農業・食品産業強化対策整備交付金 21 40,453 24,271 1,926 1,155
(231) 宮古島市

農事組合法人下南さとうきび生産組合
(事業主体)

21 40,978 24,585 1,951 1,170
(230)(231)の計         81,432 48,856 3,877 2,326

 これらの交付金事業は、事業主体である2農事組合法人が、さとうきびの生産の省力化を図ることなどにより、産地の競争力を強化することを目的として、収穫機等を導入したものである。
 そして、2農事組合法人は、本件交付金事業を消費税(地方消費税を含む。以下同じ。)を含めて事業費計81,432,000円(交付金交付額計48,856,000円)で実施したとして宮古島市に実績報告書を提出し、これにより交付対象事業費の精算を受けていた。
 消費税は、事業者が課税対象となる取引を行った場合に納税義務が生ずるが、生産及び流通の各段階で重ねて課税されないように、確定申告において、課税売上高に対する消費税額から課税仕入れに係る消費税額を控除(以下、この控除を「仕入税額控除」という。)する仕組みが採られている。
 そして、交付金事業の事業主体が交付対象の設備等を取得することも課税仕入れに該当して、上記の仕組みにより確定申告の際に交付金事業で取得した設備等に係る消費税額を仕入税額控除した場合には、事業主体は当該設備等に係る消費税額を実質的に負担していないことになる。
 このため、交付金事業の事業主体は、「強い農業づくり交付金交付要綱」(平成17年16生産第8261号農林水産事務次官依命通知)等により、実績報告書の提出後に消費税の確定申告により仕入税額控除した消費税額に係る交付金の額が確定したときには、その金額を速やかに報告するとともに、当該金額を返還しなければならないこととされている。
 しかし、2農事組合法人は、消費税の確定申告の際に、本件交付金事業に係る消費税額計3,877,714円を仕入税額控除していたのに、これに係る交付金額計2,326,453円について報告及び返還を行っておらず、不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、2農事組合法人において交付金事業における消費税の取扱いについての理解が十分でなかったこと、沖縄県及び宮古島市において本件交付金事業における消費税の取扱いについての2農事組合法人に対する指導、審査及び確認が十分でなかったこと、沖縄総合事務局において本件交付金事業における消費税の取扱いについての沖縄県に対する指導、審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。