部局等 | 補助事業者等 | 間接補助事業者等 | 補助事業等 | 年度 | 事業費 | 左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 | 不当と認める国庫補助金等相当額 | |
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(233) | 関東農政局 | 栃木県 (事業主体) |
— | 消費・安全対策交付金 | 23 | 190,871 | 94,722 | 3,491 | 1,745 |
この交付金事業は、栃木県が、食の安全及び消費者の信頼確保に資するため、農畜水産物の安全性の向上対策等の事業を実施したものである。
同県は、東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故を受け、農畜産物等の放射能検査を行うためのゲルマニウム半導体方式放射能検査機器(注1)
(以下「放射能検査機器」という。)2式の整備等を事業費190,871,549円(交付金対象事業費同額)で実施したとして、関東農政局に実績報告書を提出して、これにより交付金94,722,000円の交付を受けていた。
同県は、放射能検査機器2式のうち、平成23年8月に1式(以下「1号機」という。)を整備し、24年3月に残りの1式(以下「2号機」という。)を整備していた。そして、同県が整備した放射能検査機器2式は、いずれもゲルマニウム半導体検出器、鉛遮蔽体、冷却装置、データ解析装置(データ解析装置本体及び拡張ボード(注2)
)、パーソナルコンピュータ各1台及びパーソナルコンピュータ上で動作する分析ソフトウェア(以下「分析ソフトウェア」という。)1式等から構成されていて、同県はこれらの購入費の全額を交付金対象事業費としていた。
しかし、上記構成機器のうちデータ解析装置本体は、拡張ボードを最大4組まで設置できることになっており、データ解析装置、パーソナルコンピュータ各1台及び分析ソフトウェア1式により、ゲルマニウム半導体検出器を同時に4台まで制御できる仕様になっていた。このため、1号機のデータ解析装置本体に2号機の拡張ボードを設置することにしていたとすれば、1号機のデータ解析装置、パーソナルコンピュータ及び分析ソフトウェアにより、2号機のゲルマニウム半導体検出器を制御できたと認められる(参考図
参照)。
したがって、2号機の構成機器のうち、データ解析装置本体、パーソナルコンピュータ各1台及び分析ソフトウェア1式等(購入費計3,491,189円)は購入する必要がなかったと認められ、これに係る交付金相当額1,745,517円が過大に交付されていて不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同県において放射能検査機器に必要な構成機器の検討が十分でなかったこと、関東農政局において実績報告書の審査が十分でなかったことなどによると認められる。
(参考図 )