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  • 平成23年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第9 農林水産省|
  • 平成22年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

食農連携事業による新商品の開発等について


(3) 食農連携事業による新商品の開発等について

平成22年度決算検査報告参照

1 本院が要求した改善の処置

 農林水産省は、農商工連携の取組を通じた地域経済の活性化等を目的として、新商品の開発等の食農連携事業を実施する事業実施主体に補助金を交付している。しかし、新商品を開発できなかったり、事業完了年度の翌年度から3年以内に製造・販売を中止していたりなどしていて、新商品の開発等が順調に実施されておらず地域経済の活性化等に寄与していない事態が見受けられた。
 したがって、農林水産省において、新商品開発等が順調に行われて事業の効果が十分に発現するよう、〔1〕 新商品の開発等を実施する事業実施主体の募集に際して、事業実施前に製造過程における技術的な課題の解決策等を十分に調査・検討した上で提案するよう公募要領等に明示して、その検討状況を課題提案書に記載させたり、〔2〕 地方農政局等に対して、課題提案書等の審査マニュアルを作成して通知するなどして、十分に審査するよう指導するとともに、事業実績報告書等により新商品の販売状況等を把握し、問題がある場合はその改善に向けて事業実施主体を適時に指導するよう指示したり、〔3〕 課題提案書を事前に十分に審査し、その結果を事業の採択に反映させたりするなどの処置を講ずるよう、農林水産大臣に対して平成23年10月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。

2 当局が講じた処置

 本院は、農林水産本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、農林水産省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

ア 24年4月に制定した実施要領において、製造過程における技術的な課題の解決策等について事前に十分な調査・検討が行われているものであることを新たに事業採択の要件として規定するとともに、同月に制定した公募要領において、製造過程における技術的な課題の解決策等についての事前の調査・検討状況を課題提案書に新たに記載させることとした。

イ 地方農政局等に対して、同年5月に課題提案書等の審査マニュアルを定めて通知し、課題提案書等を十分審査するよう指導を行い、また、事業実績報告書等により新商品の販売状況等を把握して、問題がある場合はその改善に向けて事業実施主体を適時に指導するよう指示するなどした。

ウ 農林水産本省において、課題提案書の事前審査において、新商品の開発に当たり事前に調査・検討が行われているかなどについて十分に審査して、事前の調査・検討が不十分な場合は採択を見送るなど、事前審査結果を事業の採択に反映させることとした。