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  • 平成23年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第9 農林水産省|
  • 平成22年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

牛を対象とする家畜共済事業における共済金の算定について


(6) 牛を対象とする家畜共済事業における共済金の算定について

平成22年度決算検査報告参照

1 本院が要求した改善の処置

 国は、農業災害補償制度において、農業共済組合(以下「組合」という。)等が組合員等に支払う共済金の一部を再保険金として負担している。しかし、牛を対象とする家畜共済事業において、農業共済組合連合会(以下「連合会」という。)等が独自の判断で設定した価額を用いるなどして牛の価額を評価するための基準となる資料(以下「評価資料」という。)を作成していたり、組合等が評価資料を用いて組合員等と協議するなどして牛の価額を評価したりしていて、共済金の算定の基となる牛の価額が適切に評価されていない事態が見受けられた。
 したがって、農林水産省において、家畜市場から入手できる牛の取引価格に関する情報等により、組合員等が飼養している牛の月齢等に対応した牛の価額を設定する方法を示すとともに、特別な場合を除き組合等が評価資料をそのまま適用することとして、月齢等の条件が 同じ牛を同額として評価することになるよう要領等において定め、また、連合会等に対して、見直した要領等に基づき評価資料を作成するよう指導するとともに、都道府県に対して、見直した要領等に基づき牛の価額を評価するよう組合等を指導することについて助言を行うことにより、共済金の額がより適切に算定されることになる処置を講ずるよう、農林水産大臣に対して平成23年10月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。

2 当局が講じた処置

 本院は、農林水産本省、連合会等において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、農林水産省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

ア 23年12月に要領等を改正して、毎年度、連合会等が家畜市場から得られる平均取引価格等を踏まえて牛の月齢別の価額に関する評価資料を作成し、当該評価資料に基づき、組合等が月齢別の評価額を定める評価基準を作成することとし、これに基づき牛の価額を評価することにより、月齢等の条件が同じ牛は同額として評価されることになるようにした。

イ 上記の改正内容について、連合会に通知し指導するとともに、都道府県に対して組合等に通知し指導するよう助言を行った。