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  • 平成23年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
  • 第11 国土交通省|
  • 不当事項|
  • 補助金|
  • 補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの

補助の対象とならない備品の購入等に要した費用について補助金が交付されていたもの


 (4) 補助の対象とならないもの

3件 不当と認める国庫補助金 103,413,775円

 補助の対象とならない備品の購入等に要した費用について補助金が交付されていたもの

(2件 不当と認める国庫補助金 3,458,500円)

  部局等 補助事業者等
(事業主体)
補助事業等 年度 事業費
(国庫補助対象事業費)
  左に対する国庫補助金等交付額   不当と認める事業費
(国庫補助対象事業費)
  不当と認める国庫補助金等相当額
          千円   千円   千円   千円
(279) 岐阜県 山県市 住宅・建築物安全ストック形成 21、22 76,566
(76,438

)
38,219   3,601
(3,473

)
1,73 

 この補助事業は、山県市が、同市佐賀地内において、高富中央公民館・老人福祉センター(鉄筋コンクリート造3階建て(一部4階建て)1棟)の耐震補強工事を工事費76,566,000円(国庫補助対象事業費76,438,000円、国庫補助金38,219,000円)で実施したものである。
住宅・建築物安全ストック形成事業補助金交付要綱(平成21年国住市第455号、国住街第237号、国住指第4984-3号、国住備第163号国土交通省住宅局長通知)によると、住宅・建築物耐震改修事業の補助の対象の範囲は、建物の耐震改修に要する費用等とされている。
そして、同市は、本件建物の壁や天井等に枠付鉄骨ブレース(注) 等を設置する工法により耐震改修を実施することとして、枠付鉄骨ブレース等を設置する壁面沿いに取り付けられていた既設のエアコン5台及び天井に取り付けられていた既設の排気ファン2台を取り外し、枠付鉄骨ブレース等を設置した後に、取り外したエアコン2台及び排気ファン1台並びに新たに購入したエアコン3台及び排気ファン1台の取付けなどを行っており、新たに購入したエアコン、排気ファンの購入費等を国庫補助対象事業費に含めていた。
 しかし、同市は、既設のエアコン3台及び排気ファン1台について、壁や天井に枠付鉄骨ブレース等を設置した後に、ほぼ元の位置に取り付けることができたにもかかわらず、処分して新たに購入したものを取り付けており、これらの購入費等は、耐震改修工事に起因する原状回復ではないため、耐震改修に要する費用には該当しない。
 したがって、エアコン、排気ファンの購入費等を控除して、適正な国庫補助対象事業費を算定すると計72,964,030円となることから、前記の国庫補助対象事業費計76,438,000円はこれに比べて計3,473,000円過大となっており、これに係る国庫補助金相当額計1,736,500円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同市において、補助の対象となる工事の範囲についての理解が十分でなかったことなどによると認められる。

 ブレース  建物の柱の間に筋交いとして設ける鋼材等


(280) 鳥取県 鳥取市 街なみ環境整備 21 124,863
(124,507

62,253   3,800
(3,444

1,722

 この補助事業は、鳥取市が、同市鹿野地区において、鹿野往来交流館(木造平屋建て、床面積411.9m2 。以下「交流館」という。)等の建設工事を工事費124,863,900円(国庫補助対象事業費124,507,285円、国庫補助金62,253,642円)で実施したものである。
街なみ環境整備事業費補助金交付要領(平成5年建設省住整発第38号)等によると、街なみ環境整備事業の補助の対象の範囲は、生活環境施設として整備する集会所等の施設整備等に要する費用等とされている。そして、同市は、本件工事で生活環境施設として展示室、和室、食堂等を備えた交流館、地区施設として広場等を整備しており、交流館の食堂の厨(ちゅう)房に備え付けた冷凍冷蔵庫、製氷器等の厨房機器18点の購入等の費用を国庫補助対象事業費に含めていた。
 しかし、上記の厨房機器は、備品であり、その購入等の費用は施設整備等に要する費用には該当しない。
 したがって、前記厨房機器の購入等の費用を控除して、適正な国庫補助対象事業費を算定すると121,063,135円となることから、前記の国庫補助対象事業費124,507,285円はこれに比べて3,444,000円過大となっており、これに係る国庫補助金相当額1,722,000円が不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、同市において、補助の対象となる工事の範囲についての理解が十分でなかったことなどによると認められる。

(279)(280)の計       201,429 
(200,945

100,472   7,402
(6,917

3,458