まちづくり総合支援事業補助金は、市町村(都の特別区の存する区域にあっては、都及び特別区)が、施設整備等を総合的に実施し地域主導の個性豊かなまちづくりを推進することにより地域の抱える課題の解決を図る場合に、当該市町村に対して交付するものである。
補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号)第22条の規定等によると、補助事業者は、補助事業により取得した財産を補助金の交付の目的に反して使用したり、貸し付けたりなどするときは、当該補助事業を所掌する各省各庁の長の承認を受けなければならないことなどとされている。
本院が会計実地検査を行ったところ、2市町において、補助事業で取得した施設の一部を補助の目的外に使用するなどしていたため、施設に係る国庫補助金相当額が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、2市町において、補助事業で取得した施設の使用等に当たって、法令等に基づき適正な手続をとるべきことの認識が欠けていたことなどによると認められる。
これを事業主体別に示すと次のとおりである。
部局等 | 補助事業者等 (事業主体) |
補助事業等 | 年度 | 事業費等 (国庫補助対象事業費) |
左に対する国庫補助金交付額等 | 不当と認める事業費等 (国庫補助対象事業費) |
不当と認める国庫補助金相当額 | ||||
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||||
(285) | 埼玉県 | 加須市 | まちづくり総合支援(地域生活基盤施設) | 12 | 20,026 (19,500 |
) |
6,528 | 7,460 (7,210 |
) |
2,431 |
この補助事業は、加須市が、公園の休憩施設(木造平屋建て88.0m2
)を19,939,500円(うち国庫補助対象事業費19,500,000円、国庫補助金交付額6,500,000円)で整備し取得したものである。
しかし、同市は、平成21年4月から国土交通大臣の承認を受けずに休憩施設88.0m2
のうち48.8m2
を農産物直売所として民間事業者に貸し付けるなどしていた。
したがって、上記休憩施設の農産物直売所に係る国庫補助金相当額2,431,935円が不当と認められる。
(286) | 福岡県 | 筑紫郡那珂川町 | まちづくり総合支援(高次都市施設) | 15 | 654,677 (556,329 |
) |
186,393 | 36,125 (33,273 |
) |
12,041 |
この補助事業は、那珂川町が、博多南駅前高度情報センター(鉄骨造4階建て2,188m2
)を651,826,094円(うち国庫補助対象事業費556,329,144円、国庫補助金交付額185,443,048円)で整備し取得したものである。
しかし、同町は、同センターに整備した各種イベントの発信等を行う多目的オープンスペース157.8m2
のうち、平成22年7月から8月までの間に、国土交通大臣の承認を受けずに、128m2
を店舗スペースとして改修し、そのうち一部(72m2
)を同年9月から、民間事業者に在宅介護事務所等として貸し付けるなどしていた。
したがって、上記博多南駅前高度情報センターの店舗スペースに係る国庫補助金相当額12,041,687円が不当と認められる。
(285)(286)の計 | 674,704 (575,829 |
) |
192,921 | 43,585 (40,484 |
) |
14,473 |