部局等 | 補助事業者 (事業主体) |
補助事業等 | 年度 | 事業費 (国庫補助対象事業費) |
左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 (国庫補助対象事業費) |
不当と認める国庫補助金等相当額 | ||||
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||||
(303) | 環境本省 | 大分交通株式会社等5会社 (注1) |
二酸化炭素排出抑制対策 | 22 | 585,053 (521,743 |
) |
260,871 | 63,309 (10,500 |
) |
5,250 |
この補助事業は、大分交通株式会社等5会社(以下「大分交通等」という。)が、大分・別府都市圏の公共交通の利便性を向上させることによりマイカー利用からの転換を促進して二酸化炭素の排出量を抑制するため、路線バスへのICカードシステムの導入に必要なサーバ、車載機等の設備の整備を実施したものである。
二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(総合環境政策分野[民間団体])交付要綱(平成22年2月環境大臣通知。以下「要綱」という。)によると、総事業費から寄付金その他の収入額を控除した額と、事業を行うために必要な本工事費、付帯工事費等の実支出額(以下「対象経費実支出額」という。)とを比較して>少ない方の額を国庫補助対象事業費とし、これに2分の1を乗じて得た額を国庫補助金交付額とすることとされている。また、当該補助事業において、仕入税額控除(注2)
の対象となる消費税(地方消費税を含む。以下同じ。)相当額があり、かつ、その金額が明らかな場合は、これを減額して総事業費や対象経費実支出額を算出することとされている。
そして、大分交通等は、本件補助事業について、ICカードシステムの導入に必要な設備の整備に要した費用にICカードの普及に係る広告宣伝費等を加えて総事業費を585,053,386円と算出し、これから社団法人大分県バス協会の助成金10,500,000円を控除した574,553,386円と、ICカードシステムの導入に必要な設備の整備に要した費用から仕入税額控除の対象となる消費税相当額を減額した対象経費実支出額521,743,701円とを比較し、少ない方の額の521,743,701円を国庫補助対象事業費とする実績報告書を環境本省に提出し、これにより国庫補助金260,871,000円の交付を受けていた。
しかし、要綱によると、当該補助事業は、二酸化炭素の排出の抑制を目的とした面的な対策を推進するために必要な設備を整備する事業とされており、大分交通等がICカードシステムの導入に必要な設備の整備に該当しないICカードの普及に係る広告宣伝費等を総事業費に含めていたのは適切とは認められない。また、本件補助事業において、仕入税額控除の対象となる消費税相当額が明らかになっており、大分交通等が、対象経費実支出額についてはこれを減額して算出していたのに、総事業費については減額せずに算出していたことは適切とは認められない。
そこで、上記の広告宣伝費等及び仕入税額控除の対象となる消費税相当額を除いて適正な総事業費を算定すると521,743,701円となり、これから助成金10,500,000円を控除した額は511,243,701円となるため、対象経費実支出額521,743,701円よりも少なくなる。
したがって、上記511,243,701円に2分の1を乗じて適正な国庫補助金交付額を算定すると255,621,000円となり、本件国庫補助金交付額260,871,000円は、これに比べて5,250,000円が過大に交付されていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、大分交通等において国庫補助金交付額の算定についての理解が十分でなかったこと、また、環境本省において本件補助事業の実績報告書の審査及び大分交通等に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。