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  • 平成23年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第18 独立行政法人日本貿易保険|
  • 平成22年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

貿易一般保険の保険金の査定について


貿易一般保険の保険金の査定について

平成22年度決算検査報告参照

1 本院が求めた是正改善の処置

 独立行政法人日本貿易保険(以下「日本貿易保険」という。)は、本邦法人等の輸出、仲介貿易等に係る船積不能や代金回収不能等の危険を補填する貿易一般保険について、被保険者から保険金支払請求があった場合、具体的な査定方法等を定めたマニュアルにより査定を行い、支払保険金の額を決定している。しかし、日本貿易保険において、確実に物流の存在を確認できる通関書類等を徴取する必要がある場合や通関書類等を利用した確認方法をマニュアルに示しておらず、その結果、取引の存在が確認できない保険契約に対して保険金を支払っている事態が見受けられた。
 したがって、日本貿易保険において、的確な査定を行う体制を整備するために、輸出契約書等の記載内容等から保険対象である取引の存在が疑われる場合には通関書類等の確実に物流を確認できる書類を徴取することとするようマニュアルに明記するとともに、保険金の査定担当者に対し研修を行うなどして、通関書類等を徴取して保険対象である取引の存在を確認する具体的な方法について周知徹底を図る処置を講ずるよう、独立行政法人日本貿易保険理事長に対して平成23年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求めた。

2 当局が講じた処置

 本院は、日本貿易保険本店において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
 検査の結果、日本貿易保険は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

ア 24年7月に、輸出契約書等の記載内容等から保険対象である取引の存在が疑われる場合には通関書類等の確実に物流を確認できる書類を徴取することとするようマニュアルに明記して、同月の査定から適用した。

イ 同年1月から、保険金の査定担当者等を対象とした研修を継続して行い、当該研修において、通関書類等を徴取して保険対象である取引の存在を確認する具体的な方法について周知徹底を図ることとした。