会計名及び科目 | (一般勘定) | (項)業務経費 |
(投票勘定) | (項)業務経費 | |
部局等 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター | |
助成の根拠 | 独立行政法人日本スポーツ振興センター法(平成14年法律第162号)、 | |
スポーツ振興投票の実施等に関する法律(平成10年法律第63号) | ||
助成事業 | スポーツ振興助成(スポーツ振興基金助成、スポーツ振興くじ助成、 | |
競技強化支援事業助成) | ||
助成事業の概要 | 国のスポーツ振興施策の一環として、我が国のスポーツの競技水準の | |
向上等を図るため、スポーツ振興事業に対する助成を行うもの | ||
助成金交付額 | 20,309,074,000円 | (平成19年度〜22年度) |
不当と認める助成金交付額 | 11,905,000円 | (平成19年度〜22年度) |
独立行政法人日本スポーツ振興センター(以下「センター」という。)は、国のスポーツ振興施策の一環として、我が国のスポーツの競技水準の向上等を図るため、スポーツの振興のための事業を行うことを主たる目的とする団体(以下「スポーツ団体」という。)等に対して、スポーツ振興基金助成金(以下「基金助成金」という。)、スポーツ振興くじ助成金及び競技強化支援事業助成金(以下「競技強化助成金」という。)を交付している。
上記のうち、基金助成金は、平成2年度に政府出資金250億円等を受けて設置したスポーツ振興基金の運用益等を財源として、スポーツ団体が強化拠点等において行う国内外の選手強化合宿、大会へのチーム派遣等の「スポーツ団体選手強化活動」、トップレベルの選手及びその指導者等が競技技術の向上を図るために計画的に行う「日常スポーツ活動」等に対して交付するものである。
また、スポーツ振興くじ助成金は、スポーツ振興投票券の収益を財源として、「スポーツ団体が行う将来性を有する選手の発掘及び育成強化」の事業(以下「育成強化事業」という。)等に対して交付するものである。
そして、競技強化助成金は、国からの運営費交付金を財源として、スポーツ団体が重点競技種目について重点的・計画的に行う強化合宿や大会へのチーム派遣等の「スポーツ団体重点競技強化活動」等に対して交付するものである。
スポーツ団体に対する各助成金の助成対象経費は、独立行政法人日本スポーツ振興センタースポーツ振興基金助成金交付要綱(平成15年度要綱第1号)等によると、諸謝金、旅費、通信運搬費等のうち助成対象となる活動等を行うために直接必要な経費とされている。ただし、別途国庫補助による助成等を受けて各スポーツ団体に設置された専任コーチ等に対して支払う謝金については、助成対象経費に含めないこととされている。
そして、スポーツ団体選手強化活動等に対する基金助成金の交付額は、助成対象経費に3分の2を乗じて得た額を限度とした定額とされている。また、育成強化事業等に対するスポーツ振興くじ助成金及びスポーツ団体重点競技強化活動に対する競技強化助成金の交付額は、助成対象経費に4分の3を乗じて得た額を限度とした定額とされている。ただし、上記により確定しようとする各助成金の算出額を含めた助成対象活動等に係る収入総額(以下「収入総額」という。)が支出総額を上回る場合は、その上回る額を各助成金の算出額から減ずるなどして交付額を算出することとされている。
また、日常スポーツ活動に対する基金助成金(以下「日常スポーツ活動助成金」という。)の交付額は、助成対象となる選手及びその指導者等の区分ごとに、年間240万円、120万円及び60万円を限度とした定額とされている。ただし、別途国庫補助による助成等を受けている専任コーチ等が行う活動は、日常スポーツ活動助成金の対象としないこととされている。
本院は、合規性等の観点から、助成対象経費が適正に算出されているかなどに着眼して、19年度から22年度までの間にスポーツ団体等に交付された各助成金を対象として、センターにおいて、実績報告書等の関係書類を確認するなどの方法により会計実地検査を行った。
検査したところ、次のような事態が見受けられた。
センターは、20年度から22年度までの間に、4スポーツ団体(注)
が行ったスポーツ団体重点競技強化活動等に対する競技強化助成金等の額の確定に当たり、実際は合宿等に参加した選手から徴収した参加料等の助成対象活動に係る収入があり、それらの収入額を加えた実際の収入総額は支出総額を上回っていたのに、その上回った額を助成金の算出額から減ずるなどしていなかった。このため、助成金計10,231,000円が過大に交付されていた。
また、センターは、19年度から22年度までの間に、別途国庫補助による助成等を受けている専任コーチ等に対してスポーツ団体が支払った謝金計235,000円を育成強化事業等の助成対象経費に含めてスポーツ振興くじ助成金等の額を確定していた。このため、助成金計174,000円が過大に交付されていた。
さらに、センターは、20、21両年度に、別途国庫補助による助成等を受けている専任コーチ等が行った活動に対して、日常スポーツ活動助成金計1,500,000円を交付していた。
したがって、これらの助成金計11,905,000円が過大に交付されていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、センターにおいて、実績報告書等に対する審査及び確認が十分でなかったことなどによると認められる。