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  • 平成23年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第2節 団体別の検査結果|
  • 第83 独立行政法人原子力安全基盤機構|
  • 不当事項|
  • 物件

放射線測定器等の調達契約において、放射線測定器の校正費を重複して積算していたため、予定価格が過大となり契約額が割高となっていたもの


(357) 放射線測定器等の調達契約において、放射線測定器の校正費を重複して積算していたため、予定価格が過大となり契約額が割高となっていたもの

科目 (立地勘定)業務経費

部局等

独立行政法人原子力安全基盤機構本部

契約名

平成23年度女川暫定オフサイトセンター放射線防護資機材の調達

契約の概要 女川暫定オフサイトセンターにおいて必要となる放射線測定器等を調達するもの

契約の相手方

株式会社千代田テクノル

契約

平成23年12月 一般競争契約

契約額

44,100,000円 (平成23年度)

割高となっていた契約額

330万円 (平成23年度)

1 契約の概要

 独立行政法人原子力安全基盤機構(以下「機構」という。)は、平成23年3月に発生した東日本大震災により被災し、使用不能となった宮城県原子力防災対策センターの代替施設として整備された女川暫定オフサイトセンターにおいて必要となるα線測定用サーベイメータ、β・γ線測定用サーベイメータ、γ線測定用サーベイメータ、ポケット線量計(以下、これらを合わせて「放射線測定器」という。)等の調達契約を、23年12月に、一般競争契約により株式会社千代田テクノルと契約額44,100,000円で締結している。
 そして、機構は、本件契約の予定価格の積算に当たり、放射線測定器等の取扱業者から徴した参考見積書の価格等を用いて、放射線測定器の機材費、その校正費等を計上していた。

2 検査の結果

(1) 検査の観点、着眼点、対象及び方法

 本院は、経済性等の観点から、予定価格の積算が適切に行われているかなどに着眼して、機構本部において、本件契約を対象として、契約書、仕様書、予定価格調書等の書類により会計実地検査を行った。

(2) 検査の結果

 検査したところ、次のとおり、適切とは認められない事態が見受けられた。
 機構は、本件契約の仕様書において、調達する放射線測定器について、A社製放射線測定器又はその相当品であること、正確性を確保するための校正が実施されたことを示す校正証明書を添付することなどを求めることとしていた。このため、機構は、予定価格の積算に当たり、機材費としてA社製放射線測定器の参考見積価格を計上し、これとは別に校正費を計上していた。
 しかし、A社製放射線測定器は、製品カタログ等において校正証明書が出荷時に添付されることが明示されており、上記の参考見積価格には校正費が含まれていた。このため、本件予定価格は、校正費が重複して積算されており、過大となっていた。
 したがって、放射線測定器の校正費の重複分を除くなどして予定価格を修正計算すると40,734,020円となり、本件契約額44,100,000円はこれに比べて約330万円割高となっていて不当と認められる。
 このような事態が生じていたのは、機構において、予定価格の積算に当たり、放射線測定器の校正費の計上についての検討が適切でなかったことによると認められる。