ページトップ
  • 国会からの検査要請事項に関する報告(検査要請)|
  • 会計検査院法第30条の3の規定に基づく報告書|
  • 平成24年1月

大規模な治水事業(ダム、放水路・導水路等)に関する会計検査の結果について


6 湯西川ダム

ダムの概要
事業主体 関東地方整備局 水系河川名 利根川水系湯西川
事業名 湯西川ダム 所在地 栃木県日光市
目的・必要性 洪水調節 流水の正常な機能の維持 かんがい用水 水道用水 工業用水 発電
 
規模等 ダム型式 重力式コンクリートダム 経過年数
堤高(m) 119.0 29年
堤頂長(m) 320.0 実施計画調査着手年度
湛水面積(km2 1.98 昭和57年度
集水面積(km2 102.0 建設事業着手年度
総貯水容量(m3 75,000,000 昭和60年度
事業の根拠 特定多目的ダム法(昭和32年法律第35号)
検証対象となるダム建設事業に区分されたもの  
平成22年4月1日時点の段階等 調査・地元説明 生活再建工事 転流工工事 本体工事 既存施設の機能増強
       
平成22年度末までの執行済事業費(千円) 142,439,327

計画の経緯等
名称 当初計画 第1回計画変更 第2回計画変更
策定年月 昭和61年3月 平成12年5月 平成16年10月
計画事業費(億円) 約880 約880 約1,840
事業期間 昭和57年度から73年度(平成10年度)まで 昭和57年度から
平成23年度まで
昭和57年度から
平成23年度まで






河川管理者 39.7% 39.7% 62.2%
利水者 60.3% 60.3% 37.8%
  水道用水 50.6% 50.6% 31.5%
工業用水 6.6% 6.6% 3.5%
発電
かんがい用水 3.1% 3.1% 2.8%
変更内容 事業期間の延長 計画事業費の増額、アロケーションの変更

事業評価の実施状況
名称 第1回再評価 第2回再評価 第3回再評価 第4回再評価
評価実施年度 平成10年度 平成15年度 平成20年度 平成22年度
総便益(B) (百万円) 132,500 171,800 201,549 657,460
総費用(C) (百万円) 40,200 115,900 131,707 153,131
費用便益比(B)/(C) 3.3 1.5 1.5 4.3
対応方針 継続 継続 継続 継続

不特定容量の便益の算定及び計上方法
不特定容量の便益を算定しているもの
身替り建設費を推定して便益を算定 CVM等により便益を算定
ダム整備期間中の各年度に割り振って計上して現在価値化 ダム完成後の評価期間等の各年度に割り振って計上して現在価値化 そのまま計上
     

検査結果の概要

(1) 事業の目的、必要性等についての検討の状況

・「湯西川ダムの建設に関する基本計画」が作成されている。

(2) 事業の実施状況

・計画事業費1840億円に対し、平成22年度末までに1424億円を執行しており、計画事業費に対する執行済事業費の割合は77.4%となっている。
・事業期間30年間に対し、事業着手後の経過年数(22年度末現在)は29年となっており、事業期間に対する経過年数の割合は96.7%となっている。

(3) 事業費の推移及び事業計画の変更等に伴う見直し等の状況

・当初計画事業費880億円に対し、計画事業費の変更を1回行っていて、変更後の計画事業費は1840億円となっており、当初と比較して2.0倍(960億円の増)となっている。
・ダム本体の容量を縮小する変更を行っているのに計画事業費が増額となる変更を1回行っている。
・当初事業期間17年間に対し、事業期間の変更を1回行っていて、変更後の事業期間は30年間となっており、当初と比較して1.7倍(13年間の延長)となっている。
・事業期間を過ぎてから事業期間の延長変更を1回行っている。
・アロケーション変更の主な要因は、水道用水が305,900m3 /日から175,200m3 /日に、工業用水が39,700m3 /日から16,400m3 /日にそれぞれ変更されたことに伴うものである。

(4) 事業再評価時における投資効果等の検討の状況

・特になし。