大規模な治水事業（ダム、放水路・導水路等）に関する会計検査の結果について

（1）　事業の目的、必要性等についての検討の状況

・「八ッ場ダムの建設に関する基本計画」が作成されている。
・関係地方公共団体からなる、検討の場（幹事会）が9回、検討の場が1回開催され、検討が行われている。
・検証対象ダムに関する国土交通省の対応方針は、検討主体から検討結果が報告されていないため、決定されていない。

（2）　事業の実施状況

・計画事業費4600億円に対し、平成22年度末までに3558億円を執行しており、計画事業費に対する執行済事業費の割合は77.4％となっている。
・事業期間49年間に対し、事業着手後の経過年数（22年度末現在）は44年となっており、事業期間に対する事業着手後の経過年数の割合は89.8％となっている。

（3）　事業費の推移及び事業計画の変更等に伴う見直し等の状況

・当初計画事業費2110億円に対し、計画事業費の変更を1回行っていて、変更後の計画事業費は4600億円となっており、当初と比較して2.1倍（2490億円の増）となっている。
・ダム本体の容量変更を伴わない計画事業費の増額変更を1回行っていて、当初計画事業費に対する変更による増額分の割合を当初計画事業費の算定時期からの経過年数で除した1年当たりの増加率は6.6％となっている。
・当初事業期間34年間に対し、事業期間の変更を2回行っていて、変更後の事業期間は49年間となっており、当初と比較して1.4倍（15年間の延長）となっている。
・事業期間を過ぎてから事業期間の延長変更を1回行っている。
・アロケーション変更の主な要因は、水道用水が1,861,200m³ /日から1,848,000m³ /日に、工業用水が50,100m³ /日から70,800m³ /日にそれぞれ変更されたこと及び発電が追加されたことに伴うものである。

（4）　事業再評価時における投資効果等の検討の状況

・特になし。