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  • 平成24年度 |
  • 第3章 個別の検査結果 |
  • 第1節 省庁別の検査結果 |
  • 第4 復興庁 |
  • 不当事項 |
  • 役務

自動車運行管理業務請負契約に係る予定価格の積算に当たり、労務単価の適用を誤るなどしていたため、支払額が割高となっていたもの[復興庁](4)


会計名及び科目
東日本大震災復興特別会計(組織)復興庁(項)復興庁共通費
部局等
復興庁
契約名
自動車運行管理業務
契約の概要
本庁及び各復興局と関係機関等との間の移動に使用する車両の運行、保全・管理等に係る業務を行うもの
契約の相手方
株式会社セノン
契約
平成24 年4 月一般競争契約
支払
平成24 年4 月〜25 年3 月11 回
支払額
53,885,269 円(平成24 年度)
割高となっていた支払額
610 万円(平成24 年度)

1 契約等の概要

復興庁は、平成24年度に、復興庁本庁及び岩手、宮城、福島各復興局と各管内関係機関又は地方公共団体等との間の移動に使用する車両(以下「管理車両」という。)の運行、保全・管理等の業務(以下「自動車運行管理業務」という。)を、一般競争契約により、株式会社セノンに契約金額42,840,000円で請け負わせて実施している。

そして、復興庁は、24年4月の当初契約の締結以来、管理車両計10台(本庁4台、岩手、宮城、福島各復興局各2台)に対して運行管理者計10名を専属的に配置して業務を行わせていたが、本庁及び福島復興局において管理車両をそれぞれ1台追加したことから、同年12月には変更契約を締結し、計12台に対して運行管理者計12名を専属的に配置して本件業務を行わせている。

上記契約の支払については、契約金額に基づいて算出した運行管理者1人当たりの月額単価340,000円に、時間外業務に係る時間単価(以下「時間外単価」という。)2,006円に実績の時間を乗ずるなどして算出した時間外手当等を加算して、管理車両ごとの金額を算出し、これを合計した額を毎月支払っており、24年度における支払額は計53,885,269円となっている。

2 検査の結果

(1) 検査の観点、着眼点、対象及び方法

本院は、経済性等の観点から、予定価格の積算が適切に行われているかなどに着眼して、復興庁本庁において、本件契約を対象として契約関係書類、入札関係書類等により会計実地検査を行った。

(2) 検査の結果

検査したところ、次のとおり適切とは認められない事態が見受けられた。

復興庁は、予定価格の積算に当たっては、市販の積算参考資料等(以下「積算資料」という。)に掲載されている宮城県の運転手(一般)単価である1日当たり15,100円に1か月当たりの平均業務日数を乗ずるなどして運行管理者1人当たりの月額単価を342,384円と算出し、これに年間業務月数及び運行管理者の人数を乗ずるなどして、予定価格を43,140,384円と算定していた。

しかし、復興庁が適用した積算資料の運転手(一般)単価は、都道府県別に定められていることから、それぞれの業務実施地域に対応した単価(東京都14,100円、岩手県13,300円、宮城県15,100円、福島県11,600円)を適用して月額単価を算出する必要があった。

また、本件契約の仕様書等に定められた自動車運行管理業務に従事する時間についてみると、1日当たり休憩時間1時間を含む8時間45分で、実働時間は7時間45分とされていたが、復興庁が適用した積算資料の運転手(一般)単価は、実働時間8時間の単価であり、月額単価を算出するに当たっては、業務の実態を反映して7時間45分の実働時間に応じた単価により算出する必要があった。

したがって、本件管理業務請負契約について、業務実施地域及び実働時間を適切に考慮して修正計算すると、月額単価は252,428円から331,782円までとなり、また、時間外単価は1,600円から2,083円までとなり、これに基づくなどして24年度の適切な支払額を算定すると47,693,723円となり、前記の支払額53,885,269円は、これに比べて約610万円割高となっていて不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、復興庁において、月額単価の算出に当たり、労務単価の適用等についての理解が十分でなかったことなどによると認められる。