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  • 平成24年度 |
  • 第3章 個別の検査結果|第1節 省庁別の検査結果|第5 総務省|不当事項|補助金|補助事業の実施及び経理が不当と認められるもの

(3) 地域情報通信基盤整備推進交付金等の交付対象事業費が過大に精算されていたなどのもの[総務本省、2県](7)(8)


2件 不当と認める国庫補助金 5,005,676円

地域情報通信基盤整備推進交付金は、地域の知恵と工夫を活かしつつ効果的かつ効率的な情報通信基盤整備を促進し、もって地域の情報格差を是正する事業を実施する市町村等に対して、事業の実施に要する経費の一部について交付されるものである。そして、その交付対象経費は、光ファイバケーブル等の線路設備及びセンター施設等の施設・設備の設置に要する経費とされている。

また、地域活性化・公共投資臨時交付金は、地域活性化・公共投資実施計画に基づき交付の対象となる事業を実施する市町村等に対して、事業の実施に要する経費について交付されるものである。そして、その交付対象経費は、交付の対象となる事業に要する経費のうち市町村等が負担する経費とされている。

本院が総務本省、8都道県管内の49市町村及び5連携主体において会計実地検査を行ったところ、2県の2事業主体において、交付対象事業費が過大に精算されていたり、交付の対象とならない費用を含めていたりしたため、交付金が過大に交付されていて不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、事業主体において本件交付金事業の適正な実施に対する認識が欠けていたこと、2県及び総務本省において本件交付金事業の審査及び確認並びに事業主体に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。

これを事業主体別に示すと次のとおりである。

部局等 交付金事業者(事業主体) 交付金事業 年度 交付対象事業費 左に対する交付金交付額 不当と認める交付対象事業費 不当と認める交付金相当額 摘要
千円 千円 千円 千円
(7) 総務本省、群馬県 桐生市 地域情報通信基盤整備推進交付金、地域活性化・公共投資臨時交付金 21、22 240,450 183,550 2,631 2,015 精算過大

これらの交付金事業は、桐生市が、同市の黒保根地区に高速ブロードバンド環境を整備するために、光ファイバケーブル等の線路設備の敷設等を実施したものである。

そして、同市は、本件交付金事業において、通信事業者の光ファイバ網と上記の線路設備とを接続するための通信機器等を収容するための設備(以下「IP—BOX」という。)の基礎台を2,744,700円で築造することとしていた。

しかし、当該事業箇所には既設の基礎台が存置されており、請負業者はこれを再利用してIP—BOXを設置していたことから、新たに基礎台を築造していなかったのに、同市はこれを十分確認せずに基礎台を築造したこととして実績報告を行っていた。

したがって、実際に築造していない基礎台の築造費を除き、既設の基礎台を再利用するために要した清掃等の費用を考慮して、適正な交付対象事業費を算定すると237,818,238円となり、本件交付対象事業費240,450,000円との差額2,631,762円が過大に精算されていて、これに係る交付金相当額計2,015,676円が不当と認められる。

部局等 交付金事業者(事業主体) 交付金事業 年度 交付対象事業費 左に対する交付金交付額 不当と認める交付対象事業費 不当と認める交付金相当額 摘要
千円 千円 千円 千円
(8) 総務本省、愛媛県 南宇和郡愛南町 地域情報通信基盤整備推進交付金、地域活性化・公共投資臨時交付金 21、22 3,063,743 3,028,602 2,990 2,990 補助の対象外

これらの交付金事業は、愛南町が、行政情報の町内全域への公平な提供等を行うため、ケーブルテレビによる自主放送、インターネットサービス等に必要となる高速ブロードバンド環境を町内全域に整備したものである。

そして、同町は、このうちケーブルテレビによる自主放送について、議会を中継する際に文字、図形等(以下「テロップ」という。)で議員名等をテレビ画面に表示するため、「野球ソフト」という商品名のソフトウェア(以下「野球ソフト」という。)及び野球ソフトとテロップをテレビ画面に表示するシステムを制御するためのソフトウェアを購入し、これらのソフトウェアの購入等に係る経費計2,990,107円を交付対象事業費に含めていた。

しかし、野球ソフトは、野球のスコア等をテロップでテレビ画面に表示するためだけに使用できる野球中継専用のソフトウェアであって、議会中継には使用できないものであった。

したがって、前記ソフトウェアの購入等の経費計2,990,107円は交付の対象とはならず、これに係る交付金相当額計2,990,000円が不当と認められる。

部局等 交付金事業者(事業主体) 交付金事業 年度 交付対象事業費 左に対する交付金交付額 不当と認める交付対象事業費 不当と認める交付金相当額 摘要
(7)(8)の計 3,304,193 3,212,152 5,621 5,005