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  • 平成24年度 |
  • 第3章 個別の検査結果 |
  • 第1節 省庁別の検査結果 |
  • 第5 総務省 |
  • 不当事項 |
  • 補助金 |
  • 補助事業 の実施及び経理が不当と認められるもの

(4) 地域情報通信技術利活用推進交付金事業の実施に当たり、デジタル案内板の整備費が過大になっていたもの[総務本省](9)


1 件不当と認める国庫補助金2,415,000 円

地域情報通信技術利活用推進交付金は、地域の知恵と工夫を生かし、情報通信技術(以下「ICT」という。)を導入し活用するなどして、地域における諸課題を解決するための事業を行う事業主体に対して、事業の実施に要する経費について交付されるものである。そして、その交付対象経費は、サーバ、ネットワーク機器、情報通信端末等のICT関連システムの基盤の整備に要する経費等とされている。

本院が総務本省、3県及び12市区町において会計実地検査を行ったところ、1市において次のとおり適切でない事態が見受けられた。

部局等 交付金事業者(事業主体) 交付金事業 年度 交付対象事業費 左に対する交付金交付額 不当と認める交付対象事業費 不当と認める交付金相当額 摘要
千円 千円 千円 千円
(9) 総務本省 群馬県安中市 地域情報通信技術利活用推進交付金 21 37,457 37,457 2,415 2,415 設計過大

この交付金事業は、安中市が、ICTを活用して観光客を誘致するため、同市の観光・宿泊情報等を配信するデジタル案内板を東日本旅客鉄道株式会社(以下「JR」という。)の駅等に整備するなどしたものである。

同市は、本件交付金事業により、平成22年2月に屋内用のデジタル案内板(1台当たりの機器購入費及び設置工事費計2,835,000円)3台及び屋外用のデジタル案内板(同5,250,000円)1台、計4台を13,755,000円で整備する契約を締結していた。

同市は、このうち屋外用のデジタル案内板については、当初、JR高崎駅の屋外に設置することとしていたが、その後、駅ビルの改修工事により同駅には設置できないことが判明したことから、22年1月に計画を変更してJR安中駅の屋内に設置することとした。

しかし、同市は、デジタル案内板の設置場所を屋外から屋内に変更していたのに、当初の計画どおり屋外用のデジタル案内板を設置していた。

したがって、JR安中駅に設置したデジタル案内板は、屋外用よりも安価な屋内用で足りたことから、適正な交付対象事業費は35,042,080円となり、本件交付対象事業費37,457,080円との差額2,415,000円が過大になっていて、これに係る交付金相当額2,415,000円が不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同市において本件交付金事業の適正な実施に対する認識が欠けていたこと、総務本省において本件交付金事業の審査及び確認並びに事業主体に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。