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  • 平成24年度 |
  • 第3章 個別の検査結果 |
  • 第1節 省庁別の検査結果 |
  • 第8 財務省 |
  • 平成23年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

(1) 輸入事後調査によって非違が判明した場合における修正申告等又は更正等による税額の確定について


1 本院が要求した適宜の処置及び求めた是正改善の処置

財務省は、輸入貨物に係る納税申告が適正であるか確認して、適正でない申告を是正するなどする輸入事後調査を行っている。そして、輸入事後調査によって納税申告に係る税額が適正でないこと又は特例申告期限までに特例申告を行っていないこと(以下「非違」という。)が判明した場合は、原則として修正申告又は期限後特例申告(以下「修正申告等」という。)を慫慂することとしている。しかし、非違が判明した場合において、修正申告等又は更正若しくは決定(以下「更正等」という。)により速やかに税額を確定して債権として管理していないなどの事態が見受けられた。

したがって、財務省において、既に非違が判明していて賦課権の除斥期間内である事案については更正等を行うことを税関に検討させるとともに、今後、非違が判明した場合には修正申告等又は更正等により速やかに税額を確定して債権として管理するよう、税関に対して、輸入者が修正申告等の慫慂に速やかに応じなければ更正等を行うことを検討させたり、課税価格に算入されていない複数の輸入貨物に係る費用等を合理的に案分するために必要な資料の収集等を十分に行うよう指導したり、修正申告等の進行管理を適切に行うよう指導したり、限られた資料しか収集できない場合等においても課税価格に算入されていない複数の輸入貨物に係る費用等を合理的に案分する方法等を検討して示したりするよう、財務大臣に対して平成24年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正の処置を要求し及び是正改善の処置を求めた。

2 当局が講じた処置

本院は、財務本省等において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、財務省は、本院指摘の趣旨に沿い、24年10月に税関に対して事務連絡を発して、既に非違が判明していて賦課権の除斥期間内である事案について更正等を行うことを検討させるとともに、同年12月及び25年2月に税関に対して事務連絡を発して、次のような処置を講じていた。

  • ア 輸入者が修正申告等を速やかに行う意思を明示しない場合等には更正等を行うことを検討させることとするとともに、収集等すべき資料やその収集方法等を具体的に示して課税価格に算入されていない複数の輸入貨物に係る費用等を合理的に案分するために必要な資料の収集等を十分に行ったり、修正申告等の進行管理の手続を具体的に示して進行管理を適切に行ったりするよう指導した。
  • イ 限られた資料しか収集できない場合等においても、課税価格に算入されていない複数の輸入貨物に係る費用等を合理的に案分する方法等を、収集できた資料等の状況に応じて整理して具体的に示した。