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  • 平成24年度 |
  • 第3章 個別の検査結果 |
  • 第1節 省庁別の検査結果 |
  • 第9 文部科学省 |
  • 不当事項 |
  • 補助金 |
  • 補助事業 の実施及び経理が不当と認められるもの

(1) 公立高等学校授業料不徴収交付金が過大に交付されていたもの[沖縄県](28)


1件 不当と認める国庫補助金 13,712,145円

公立高等学校授業料不徴収交付金(以下「交付金」という。)は、高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図り、もって教育の機会均等に寄与することを目的とする「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律」(平成22年法律第18号)等に基づき、国が地方公共団体に対して交付するものである。

交付金の交付額は、同法によると、同法の「公立高等学校(注1)については、授業料を徴収しないものとする。」との規定の適用がないとしたならば、地方公共団体が徴収することとなる年間の授業料に相当する額(以下「年間授業料相当額」という。)に相当する金額とされている。そして、年間授業料相当額については、「公立高等学校に係る授業料の不徴収及び高等学校等就学支援金の支給に関する法律施行令」(平成22年政令第112号)に基づき、当該地方公共団体に係る公立高等学校に当該年度の10月1日に在学する生徒の数を公立高等学校基礎授業料月額の12倍に相当する額に乗ずるなどして算定することとされている。また、文部科学省は、事務連絡等において、交付金の算定対象とする生徒の数には、10月1日現在で休学している生徒のうち、既に標準修業年限(注2)を超過している生徒及び今後標準修業年限の超過が見込まれる生徒の数を含めないこととしている。

(注1)
公立高等学校  地方公共団体が設置する高等学校、中等教育学校の後期課程及び特別支援学校の高等部
(注2)
標準修業年限  入学から卒業までに要する標準的な年限で、交付金の算定においては、全日制の公立高等学校では3年、定時制及び通信制の公立高等学校では4年以内とするとされている。

本院が、交付金の算定等について、23都道県及び2市において会計実地検査を行ったところ、次のような事態が見受けられた。

部局等 補助事業者(事業主体) 年度 年間授業料相当額 左に対する交付金交付額 不当と認める年間授業料相当額 不当と認める交付金交付額 摘要
千円 千円 千円 千円
(28) 沖縄県 沖縄県 22〜24 13,850,661 13,850,661 13,712 13,712 交付金の算定対象とならない生徒を含めていたもの

沖縄県は、10月1日に同県が設置する公立高等学校に在学していた生徒のうち交付金の算定対象とする生徒の数を平成22年度46,831人、23年度46,570人、24年度46,366人として、これらに係る年間授業料相当額を22年度4,642,362,575円、23年度4,622,980,661円、24年度4,585,318,713円と算定し、同額の交付金の交付を受けていた。

しかし、同県が交付金の算定対象とした上記の生徒の数には、10月1日現在で休学していて、既に標準修業年限を超過している生徒及び出席日数の不足により当該年度末での卒業が見込めないなどの理由から同日時点で標準修業年限の超過が確実に見込まれる生徒22年度56人、23年度41人、24年度129人が含まれていた。

したがって、上記の各年度における生徒の数を交付金の算定対象とする生徒の数に含めずに適正な交付金の交付額を算定すると、22年度4,639,150,072円、23年度4,620,727,748円、24年度4,577,071,984円となることから、22年度3,212,503円、23年度2,252,913円、24年度8,246,729円、計13,712,145円の交付金が過大に交付されていて不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同県において、10月1日現在で休学している各生徒に関して、標準修業年限の超過が見込まれるか否かなどについての検討が十分でなかったことなどによると認められる。