3件 不当と認める国庫補助金 16,988,000円
私立学校施設整備費補助金(防災機能強化施設整備事業)は、私立の高等学校等における防災機能の強化を図ることを目的として、校舎等の耐震補強工事等を行う学校法人に対して、当該事業に要する経費の一部を国が補助するものである。
この補助金の交付額は、校舎等の耐震補強工事等に係る経費を補助対象経費として、これに、校舎等の耐震性能を数値化した構造耐震指標の値が0.3以上の場合には補助率3分の1以内、より耐震性能の低い0.3未満の場合には補助率2分の1以内を乗じて算定することとなっている。
本院が、16都県の34学校法人において会計実地検査を行ったところ、3都県の3学校法人において、補助の対象とならない工事費を補助対象経費に含めていたり、補助率の適用を誤ったりしていたため、国庫補助金16,988,000円が過大に交付されていて、不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、学校法人において補助対象経費の算定方法等についての理解が十分でなかったこと、3都県において実績報告書等に対する審査が十分でなかったことなどによると認められる。
前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。
学校法人聖徳学園は、平成22年度に実施した校舎3棟の耐震補強工事等に係る経費を対象として、補助対象経費139,986,000円に補助率2分の1を乗ずるなどして、国庫補助金55,992,000円の交付を受けていた。
しかし、同法人は、上記の校舎3棟のうち構造耐震指標の値が0.3以上である2棟の耐震補強工事等について補助率3分の1以内を適用すべきところを2分の1を適用したり、補助の対象である耐震補強工事とは全く関連がない掲示板の設置に係る経費を補助対象経費に含めていたりしていた。
したがって、適正な工事費により算定した補助対象経費135,285,442円に適切な補助率を適用するなどして国庫補助金を算定すると47,430,000円となり、国庫補助金8,562,000円が過大に交付されていた。
これを部局等別に示すと次のとおりである。
部局等 | 補助事業者(事業主体) | 補助事業 | 年度 | 補助対象経費 | 左に対する国庫補助金交付額 | 不当と認める補助対象経費 | 不当と認める国庫補助金 | 摘要 | |
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千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(43) | 栃木県 | 学校法人作新学院 | 総合進学部本館耐震補強工事 | 22 | 200,000 | 66,666 | 20,901 | 6,967 | 補助の対象とならない工事費を補助対象経費に含めていたもの |
(44) | 東京都 | 学校法人聖徳学園 | 聖徳学園3 ・4 ・4’号館耐震補強工事 | 22 | 139,986 | 55,992 | 4,700 | 8,562 | 補助率の適用を誤っていたものなど |
(45) | 三重県 | 学校法人三重徳風学園 | 三重徳風学園教育棟耐震補強事業 | 22 | 121,970 | 56,733 | — | 1,459 | 補助率の適用を誤っていたもの |
(43)—(45)の計 | 461,956 | 179,391 | 25,601 | 16,988 |