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  • 平成24年度 |
  • 第3章 個別の検査結果 |
  • 第1節 省庁別の検査結果 |
  • 第9 文部科学省 |
  • 不当事項 |
  • 補助金 |
  • 補助事業 の実施及び経理が不当と認められるもの

(8) 学校施設環境改善交付金が過大に交付されていたもの[長野県](46)(47)


2件 不当と認める交付金交付額 8,834,000円

学校施設環境改善交付金(平成22年度以前は安全・安心な学校づくり交付金。以下「交付金」という。)は、「義務教育諸学校等の施設費の国庫負担等に関する法律」(昭和33年法律第81号)等に基づき、地方公共団体が作成する公立の義務教育諸学校等施設の整備に関する施設整備計画(以下「施設整備計画」という。)によって実施される施設整備事業に要する経費に充てるため、国が地方公共団体に対して交付するものである。

交付金の交付額は、当該地方公共団体の施設整備計画に記載された事業のうち、算定の対象となる事業(以下「交付対象事業」という。)ごとに、文部科学大臣が定める方法により算出した配分基礎額に交付対象事業の種別に応じて同大臣が定める割合(以下「算定割合」という。)を乗じて得た額(以下「算定後配分基礎額」という。)の合計額と、交付対象事業に要する経費の額(以下「実工事費」という。)に算定割合を乗じて得た額(以下「算定後実工事費」という。)の合計額のうち、いずれか少ない額を基礎として算定することとされている。

このうち、算定後実工事費については、実績報告時において、交付申請後の設計変更等による増減等を反映した実工事費の額を用いて再算定を行うこととなっている。

本院が、24都道府県及びその管内の260市町村計284地方公共団体において会計実地検査を行ったところ、長野県の2市町において、実績報告時に算定後実工事費の再算定を行っていなかったり、各事業における算定割合の適用を誤っていたりしたため、交付金が過大に交付されていて、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、2市町において、交付額の算定方法等についての理解が十分でなかったり、実績報告書に記載された内容の精査が十分でなかったりしていたこと、長野県教育委員会において、2市町から提出された実績報告書等に対する審査が十分でなかったことなどによると認められる。

これを、事業主体別に示すと次のとおりである。

部局等 補助事業者(事業主体) 年度 交付金の交付額 不当と認める交付金の交付額 摘要
千円 千円
(46) 長野県 松本市 18、22 138,496 6,251 算定後実工事費の再算定を行っていなかったもの

松本市は、平成18年度に筑摩野中学校不適格改築事業を、22年度に寿小学校大規模改造事業等10事業をそれぞれ実施し、両年度とも、これに係る算定後配分基礎額の合計額が算定後実工事費の合計額を下回っているとして、算定後配分基礎額の合計額を基礎として算定された交付金18年度8,857,000円、22年度129,639,000円、計138,496,000円の交付を受けていた。

しかし、同市は、実績報告時において全ての交付対象事業で設計変更を行うなどしていて実工事費に増減が生じているのに、算定後実工事費の再算定を行っていなかった。そして、実績報告時における算定後実工事費の合計額を再算定すると18年度8,302,000円、22年度122,634,000円となり、算定後配分基礎額の合計額18年度8,770,000円、22年度128,356,000円を下回る結果となった。

したがって、実績報告時における算定後実工事費の合計額に基づき適正な交付金の交付額を算定すると、18年度8,385,000円、22年度123,860,000円、計132,245,000円となり、18年度472,000円、22年度5,779,000円、計6,251,000円が過大に交付されていた。

部局等 補助事業者(事業主体) 年度 交付金の交付額 不当と認める交付金の交付額 摘要
千円 千円
(47) 長野県 上水内郡信濃町 23 272,586 2,583 算定割合の適用を誤っていたもの

信濃町は、平成23年度に信濃中学校(第Ⅱ期工事)危険改築事業等5事業を実施し、これに係る算定後配分基礎額の合計額が算定後実工事費の合計額を下回っているとして、算定後配分基礎額の合計額を基礎として算定された交付金272,586,000円の交付を受けていた。

しかし、同町は、上記5事業のうち、3事業に係る算定後実工事費の算定に当たり、事業の種別に対応する3分の1又は2分の1の算定割合を実工事費に乗ずべきところを誤って10分の5.5を乗じていた。そして、各事業に適用される適正な算定割合を乗ずるなどして算定後実工事費の合計額を算定すると267,330,000円となり、算定後配分基礎額の合計269,888,000円を下回る結果となった。

したがって、上記の算定後実工事費の合計額に基づき適正な交付金の交付額を算定すると270,003,000円となり、2,583,000円が過大に交付されていた。

部局等 補助事業者(事業主体) 年度 交付金の交付額 不当と認める交付金の交付額 摘要
千円 千円
(46)(47)の計 411,082 8,834