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  • 平成24年度 |
  • 第3章 個別の検査結果 |
  • 第1節 省庁別の検査結果 |
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  • 保険給付

雇用保険の失業等給付金の支給が適正でなかったもの[厚生労働本省、21公共職業安定所](57)


会計名及び科目
労働保険特別会計(雇用勘定) (項)失業等給付費
部局等
厚生労働本省(支給庁)
21公共職業安定所(支給決定庁)
支給の相手方
47人
不当と認める失業等給付金
(1) 求職者給付
(2) 就職促進給付
失業等給付金の支給額の合計
(1) 57,564,633円(平成22年度〜24年度)
(2) 4,413,413円(平成23、24両年度)
計 61,978,046円
不当と認める支給額
(1) 11,163,897円(平成22年度〜24年度)
(2) 4,283,381円(平成23、24両年度)
計 15,447,278円

1 保険給付の概要

(1) 雇用保険

雇用保険は、常時雇用される労働者等を被保険者として、被保険者が失業した場合、被保険者について雇用の継続が困難となる事由が生じた場合等に、その生活及び雇用の安定を図るなどのために失業等給付金の支給を行うほか、雇用安定事業等を行う保険である。

(2) 失業等給付金の種類

失業等給付金には、次の求職者給付及び就職促進給付のほか、教育訓練給付及び雇用継続給付の4種がある。

  • ア 求職者給付には7種の手当等があり、このうち基本手当は、失業等給付金の支給額の大半を占めており、失業者の生活の安定を図る上で基本的な役割を担うもので、受給資格者(注)が失業している日について所定給付日数を限度として支給される。
  • イ 就職促進給付には5種の手当等があり、このうち再就職手当は、受給資格者が基本手当を受給できる日数を所定給付日数の3分の1以上残して安定した職業に就いた場合に支給される。
(注)
受給資格者  被保険者が、離職して労働の意思及び能力を有するにもかかわらず職業に就くことができない状態にあり、原則として、離職日以前2年間に被保険者期間が通算して12か月以上(倒産等により離職した者(特定受給資格者)及び特定受給資格者以外の者であって期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新を希望したにもかかわらず、当該更新がないことなどにより離職した者については、離職日以前1年間に被保険者期間が通算して6か月以上)あることの要件を満たしていて、公共職業安定所において基本手当を受給する資格があると決定された者

(3) 失業等給付金の支給

上記の手当は、公共職業安定所が次のように支給決定を行い、これに基づいて厚生労働本省が支給することとなっている。

  • ア 基本手当については、受給資格者から提出された失業認定申告書に記載されている就職又は就労(臨時的に短期間仕事に就くこと)の有無等の事実について確認して、失業の認定を行った上で、支給決定を行う。
  • イ 再就職手当については、受給資格者から提出された再就職手当支給申請書に記載されている雇入年月日等について調査確認の上で、支給決定を行う。

2 検査の結果

(1) 検査の観点、着眼点、対象及び方法

本院は、合規性等の観点から、失業等給付金の支給を受けた者(以下「受給者」という。)に対する失業等給付金の支給決定が適正に行われているかに着眼して、全国47都道府県労働局(以下、都道府県労働局を「労働局」という。)の437公共職業安定所(平成25年3月末現在)のうち、7労働局管内の41公共職業安定所において会計実地検査を行い、主として22年度から24年度までの間における受給者から1,684人を選定して、失業等給付金の支給の適否について検査した。

検査に当たっては、受給者から提出された失業認定申告書等の書類により会計実地検査を行い、適正でないと思われる事態があった場合には、他の年度分も含めて更に当該公共職業安定所に調査及び報告を求めて、その報告内容を確認するなどの方法により検査を行った。

(2) 検査の結果

検査の結果、5労働局の21公共職業安定所管内における22年度から24年度までの間の受給者47人については、再就職した後も引き続き失業等給付金の支給を受けるなどしており、これらに対する失業等給付金の支給額61,978,046円のうち15,447,278円は、支給の要件を満たしていなかったもので支給が適正でなく、不当と認められる。これを給付の種別に示すと次のとおりである。

  • ア 求職者給付

    21公共職業安定所管内の受給者47人に対する基本手当の支給額57,564,633円のうち11,163,897円は、支給の要件を満たしていなかった。

  • イ 就職促進給付

    7公共職業安定所管内の受給者7人に対する再就職手当の支給額4,413,413円のうち4,283,381円は、支給の要件を満たしていなかった。

このような事態が生じていたのは、受給者が誠実でなかったため、失業認定申告書及び再就職手当支給申請書の記載内容が事実と相違するなどしていたのに、前記の21公共職業安定所において、これに対する調査確認が十分でないまま支給決定を行っていたことによると認められる。

なお、これらの適正でなかった支給額については、本院の指摘により、全て返還の処置が執られた。

これらの適正でなかった支給額を労働局ごとに示すと次のとおりである。

労働局名 公共職業安定所 本院の調査に係る受給者数 不適正受給者数 左の受給者に支給した失業等給付金 左のうち不当と認める失業等給付金
千円 千円
青森 青森等6
八戸等2
小計
234
38
9
2
7,957
1,045
9,002
1,849
1,045
2,894
宮城 仙台等4

小計
256
12
19,702

19,702
2,636

2,636
福島 福島等5
二本松
小計
276
23
17
1
25,501
462
25,964
4,904
462
5,366
愛媛 松山等3
松山等3
小計
178
84
4
3
665
2,645
3,310
272
2,645
2,917
鹿児島 鹿児島等3
鹿児島
小計
93
36
5
1
3,737
260
3,997
1,502
130
1,632
求職者給付計 21か所 1,037 47 57,564 11,163
就職促進給付計 7か所 181 7 4,413 15,447
合計 61,978 15,447
注(1)
上段は求職者給付に係る分、下段は就職促進給付に係る分である。
注(2)
公共職業安定所数及び不適正受給者数については、両給付間で重複しているものがあり、実数はそれぞれ21か所、47人である。