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  • 平成24年度 |
  • 第3章 個別の検査結果 |
  • 第1節 省庁別の検査結果 |
  • 第10 厚生労働省 |
  • 不当事項 |
  • 補助金 |
  • 補助事業 の実施及び経理が不当と認められるもの

(1) 医療提供体制推進事業費補助金(医療提供体制設備整備事業に係る分)が過大に交付されていたもの[厚生労働本省](65)


不当と認める国庫補助金 6,352,000円

医療提供体制推進事業費補助金(医療提供体制設備整備事業に係る分)は、医療法(昭和23年法律第205号)に規定する都道府県における医療計画に定める医療提供施設等の整備の目標等に関して、良質かつ適切な医療を効率的に提供する体制の確保を図ることなどを目的として、設備整備等に要する経費に充てるために国が交付するものであり、共同利用施設設備整備事業等の事業を実施する日本赤十字社等の事業者に対して、都道府県が補助する場合等に、その補助に要する費用等の一部又は全部を国が補助するものである。

この補助金の交付額は、交付要綱に基づき、交付要綱に定める基準額と対象経費の実支出額(以下「実支出額」という。)とを施設ごとに比較して少ない方の額を選定するなどして算出することとなっている。

本院が、5県の6事業主体において、会計実地検査を行ったところ、次のような事態が見受けられた。

部局等 補助事業者 間接補助事業者
(事業主体)
年度 国庫補助金交付額 不当と認める国庫補助金交付額 摘要
千円 千円
(65) 厚生労働本省 島根県 松江赤十字病院 20、22 18,882 6,352 補助の対象外

松江赤十字病院は、平成20、22両年度に共同利用施設設備整備事業等により超音波診断装置等を整備して、これらに係る実支出額が20年度14,332,500円、22年度42,315,000円であったとして島根県に補助金の実績報告を行い、これにより同県から補助金20年度9,555,000円(これに対する国庫補助金交付額4,777,000円)、22年度28,210,000円(同14,105,000円)、計37,765,000円(同18,882,000円)の交付を受けていた。

しかし、同病院は、20年5月に9,870,000円で購入していた超音波診断装置について、契約書の写しなどを改ざんして、同年12月の同県への補助金の交付申請後に14,332,500円で購入したとする実績報告を行っていた。また、22年4月に4,725,000円で購入していた心筋保護液注入装置についても、契約日等が事実と異なる契約書の写しなどを作成して、同年7月の同県への補助金の交付申請後に同額で購入したとする実績報告を行っていた。

したがって、上記の超音波診断装置及び心筋保護液注入装置の購入費を除いて、適正な実支出額により国庫補助金を算定すると20年度0円、22年度12,530,000円となり、前記の国庫補助金交付額との差額20年度4,777,000円、22年度1,575,000円、計6,352,000円が過大に交付されていて不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、同病院において、補助事業を適正に行うことについての認識が著しく欠けていたこと及び交付要綱等の理解が十分でなかったこと、同県において、同病院から提出された実績報告書等の審査及び確認が十分でなかったこと、また、厚生労働省において、同県に対する指導が十分でなかったことなどによると認められる。