国民健康保険法等では、同一の疾病等について要介護被保険者等が介護給付を受けることができる場合は、医療給付は行われないこととされるなど給付の調整(以下「給付調整」という。)を行うこととされている。しかし、医療機関等において給付調整が適切に行われないまま医療費の請求が行われているのに、市町村の国民健康保険担当部局及び後期高齢者医療広域連合において、国保連合会介護給付適正化システムにより提供される突合情報を活用した効率的なレセプト点検を実施するなどしていなかったため、医療費の支払が過大になっている事態が見受けられた。
したがって、厚生労働省において、同システムによる突合情報を活用した効率的なレセプト点検を実施するための態勢整備を図ることなどにより、給付調整が適切に行われるよう、厚生労働大臣に対して平成24年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求めた。
本院は、厚生労働本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、厚生労働省は、本院指摘の趣旨に沿い、24年12月、25年1月、同年2月及び同年6月に都道府県等に通知を発するなどして、市町村の国民健康保険担当部局等において介護保険担当部局等との連携を図ることなどにより国保連合会介護給付適正化システムによる突合情報を活用したレセプト点検を実施するための態勢整備を図るよう技術的助言等を行うとともに、医療機関等に給付調整の適切な実施等について改めて周知するなどの処置を講じていた。