(1件 不当と認める国庫補助金 8,191,541円)
部局等 | 補助事業者等 | 間接補助事業者等 | 補助事業等 | 年度 | 事業費 | 左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 | 不当と認める国庫補助金等相当額 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | ||||||
(334) | 九州農政局 | 熊本県農地・水・環境保全向上対策地域協議会(事業主体) | — | 農地・水保全管理支払交付金(注) | 19〜23 | 8,703,648 | 4,351,824 | 16,383 | 8,191 |
この交付金事業は、「農地・水保全管理支払交付金実施要綱」(平成23年22農振第2261号農林水産事務次官依命通知。以下「要綱」という。)等に基づき、農林水産省が、農地・水・環境の良好な保全とその質的向上を図ることを通じて地域の振興に資するために、熊本県農地・水・環境保全向上対策地域協議会(以下「地域協議会」という。)に対して交付金を交付し、地域協議会は、これに地方公共団体から交付を受けた同額の交付金を加えて、地域ぐるみで共同活動に取り組む組織(以下「活動組織」という。)を支援するために交付金を交付するものである。この交付金の交付額は、交付対象農用地の面積に田、畑等の地目ごとの交付単価を乗じた金額の合計額とされている。
要綱等によれば、活動組織と市町村との間で締結した協定に記載されている活動計画に定めた事項を活動組織が実施することが交付金交付の要件とされている。そして、活動計画の事項には、地域協議会が作成した地域活動指針に沿った活動内容や活動の対象となる農業用施設が定められており、これら以外の活動等に対して支出された場合には、交付金に相当する金額について返還することとされている。また、要綱等によれば、活動組織が農用地を耕作可能な状態に保全管理することなどが交付金交付の要件とされている。そして、事業実施期間の最終年度である平成23年度末に遊休化している交付対象農用地があるなどの場合には、当該交付対象農用地に係る交付金を協定締結年度に遡って返還することとされている。
地域協議会は、19年度から23年度までの事業実施期間に、熊本県内に所在する活動組織を支援するために、交付対象事業費計8,703,648,000円に対して九州農政局から交付金計4,351,824,000円の交付を受けていた。
しかし、検査したところ、次のとおり適正とは認められない事態が見受けられた。
したがって、地域協議会における適正な交付対象事業費を算定すると計8,687,264,920円となることから、前記の交付対象事業費計8,703,648,000円との差額計16,383,080円が過大となっていて、これに係る交付金相当額8,191,541円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、各活動組織において、要綱等に基づく本件交付金事業の適正な実施に対する認識が欠けていたこと、九州農政局、熊本県、八代市、荒尾市、津奈木町及び地域協議会において、実施状況報告書等の審査及び確認並びに各活動組織に対する要綱等に基づく事業の適正な実施に関する指導が十分でなかったことなどによると認められる。