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  • 平成24年度 |
  • 第3章 個別の検査結果 |
  • 第1節 省庁別の検査結果 |
  • 第11 農林水産省 |
  • 平成22年度決算検査報告掲記の意見を表示し又は処置を要求した事項の結果

(1) 耕作放棄地等に係る贈与税及び相続税の納税猶予制度の適用について


平成22年度決算検査報告参照
平成23年度決算検査報告参照

1 本院が表示した意見

農地等に係る贈与税及び相続税の納税猶予制度の適用を受けている農地が耕作放棄地等となっていて農業上の利用の増進が図られていないにもかかわらず、農業委員会が農地法(昭和27年法律第229号)に基づく遊休農地対策(以下「遊休農地対策」という。)として指導を適切に実施していなかったり、農業委員会が農地ではないと判断した土地(以下「非農地」という。)について、納税猶予の打切りに係る措置を執ることができない状況となっていたりする事態が見受けられた。

したがって、農林水産省において、都道府県を通じて、農業委員会に対し、遊休農地対策を適切に実施することにより耕作放棄地等の解消又は納税猶予の打切りにつなげるよう改めて周知徹底を図るとともに、その実効性を確保するための措置を講じたり、非農地について速やかに納税猶予を打ち切ることができるための適切な手続を整備したりするよう、農林水産大臣に対して平成23年10月に、会計検査院法第36条の規定により意見を表示した。

2 当局が講じた処置

本院は、農林水産本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。

検査の結果、農林水産省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。

  • ア 23年11月に通知を発して、遊休農地対策が適切に実施されるよう、都道府県を通じて農業委員会に対して周知徹底を図るとともに、農業委員会に四半期ごとに遊休農地対策の実施状況を報告させたり、遊休農地対策が適切に実施されていない農業委員会に対して改善の要請等を行ったりするなどのフォローアップ手続を通じて、その実効性の確保を図った。
  • イ 非農地に係る納税猶予の打切りについては、国税庁との協議の結果、非農地となったことを理由に納税猶予を打ち切る手続をとることは現行制度の運用上は困難であるとの見解が示されたことを受けて、25年8月に通知を発して、現行の納税猶予制度の下で今後の再発防止策の徹底を図るとともに、現に非農地化している土地について譲渡、貸付け、転用等の現行の納税猶予の打切事由に該当した場合には、速やかに納税猶予を打ち切るよう、手続を明確化し、都道府県を通じて農業委員会に対して周知した。