農林水産省は、地方公共団体や民間事業者等を事業主体として、国庫補助金を交付することにより各種の補助事業を実施している。しかし、事業主体が実績報告書を提出した後に、消費税の確定申告により補助対象事業費に含めていた消費税額を仕入税額控除しているのに、仕入税額控除した消費税額に係る国庫補助金相当額について、仕入税額控除報告書の提出及びその返還を行っていないなどの事態が見受けられた。
したがって、農林水産省において、事業主体に対して、仕入税額控除した消費税額に係る国庫補助金の額が確定した場合には、仕入税額控除報告書の提出及びその返還が必要であることを周知徹底するとともに、交付要綱等を改正するなどして、国庫補助金の額の確定から1年程度の一定の期間が経過した後に補助対象事業費に含めていた消費税額に係る仕入税額控除の状況を報告させることとし、その報告に消費税の確定申告書等の写しを添付させて、農林水産省、補助事業者等において、報告内容について十分確認する処置を講ずるよう、農林水産大臣に対して平成24年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求めた。
本院は、農林水産本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、農林水産省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。