中小企業庁は全国中小企業団体中央会(以下「全国中央会」という。)に対して、ものづくり中小企業製品開発等支援補助金を交付しており、全国中央会は新製品等の試作開発等を行う事業を実施した中小企業者(以下「会社等」という。)に対して補助金を交付している。しかし、全国中央会において、事業の効果を適切に把握していなかったり、会社等が納付予定額が生じていると報告しているのに収益納付を命じていなかったり、会社等が処分制限財産を補助事業の成果を活用して実施する生産活動等に転用(以下「成果活用型転用」という。)するための申請書類が提出されていなかったり、成果活用型転用の承認結果により処分制限財産から生じた収益が納付の対象となっていなかったりなどしている事態が見受けられた。
したがって、中小企業庁において、事業効果を適切に把握する体制を整備するよう全国中央会に対して指導及び助言を行ったり、収益納付の取扱いに係る指針等を定めて、全国中央会に企業化状況報告書の記載内容について十分確認させるとともに収益納付を適切に実施させたり、処分制限財産の取扱いについて会社等に対して周知徹底を図るよう全国中央会に対して指導及び助言を行ったり、成果活用型転用の取扱いに係る指針等を示すなどして全国中央会に承認審査を適切に実施させたりするよう、中小企業庁長官に対して平成24年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求め、並びに同法第36条の規定により改善の処置を要求し及び意見を表示した。
本院は、中小企業庁及び全国中央会において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、中小企業庁は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。