(1件 不当と認める国庫補助金 154,417,375円)
部局等 | 補助事業者等 (事業主体) |
補助事業等 | 年度 | 事業費 (国庫補助 対象事業費) |
左に対する国庫補助金等交付額 | 不当と認める事業費 (国庫補助対象事業費) |
不当と認める国庫補助金等相当額 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
千円 | 千円 | 千円 | 千円 | |||||
(407) | 中部地方整備局 | 三重県 | 海岸(津波危機管理)等 | 17〜23 | 397,041 (390,404) |
195,202 | 315,472 (308,834) |
154,417 |
この補助事業等は、三重県が、五ヶ所港等3港において、胸壁の開口部に設置されている既存の陸閘(注)16基を台風、地震発生時等の異常時に安全、迅速かつ確実に閉鎖できるように、陸閘の開閉を電動化する工事を実施したものである。
同県は、本件陸閘16基の電動化工事の設計に当たり、陸閘の開閉用操作スイッチは胸壁の陸側に設置することにしていた。一方、電線を引き込んで陸閘の開閉に必要な電力を得るための引込開閉器盤(以下「引込盤」という。)を添架する引込柱は、胸壁の陸側に道路等があって通行の支障となるなどのため、胸壁の海側に設置することにしていた(参考図参照)。
しかし、同県は、引込盤の添架位置を陸閘の天端よりも高くしなければ、高潮等により水位が上昇した際に引込盤が浸水して、陸閘が電動により開閉できなくなる危険性があるのに、陸閘12基について、誤って引込盤の添架位置を陸閘の天端よりも低い位置に記載した設計図面により工事を発注したなどのため、請負人は、陸閘の天端よりも25㎝から57㎝低い位置に引込盤を施工していた。
また、残りの陸閘4基について、同県は、引込盤の添架位置を陸閘の天端よりも高い位置に記載した設計図面により工事を発注していたのに、このうちの1基について、請負人は、誤って陸閘の天端よりも30㎝低い位置に引込盤を施工していた。
したがって、前記の陸閘計13基の電動化工事(工事費相当額計315,472,150円、国庫補助対象額計308,834,750円)は、設計及び施工が適切でなかったため、高潮等により水位が上昇した際に引込盤が浸水して、陸閘が電動により開閉できなくなる危険性がある状況となっていて、工事の目的を達しておらず、これに係る国庫補助金等相当額154,417,375円が不当と認められる。
このような事態が生じていたのは、同県において、委託した設計業務の成果品に誤りがあったのに、これに対する検査が十分でなかったり、引込盤の施工が適切でなかったのに、これに対する監督が十分でなかったりしたことなどによると認められる。
(参考図)