防衛省は、陸上自衛隊において、子爆弾を内蔵した70㎜クラスター弾及び同演習弾を保有しているが、クラスター弾の開発、生産等を禁止することを約束する「クラスター弾に関する条約」が発効したことから、その補完措置として、子爆弾を内蔵しない単弾頭とロケットモータとを組み合わせた70㎜単弾頭弾及びその演習弾を装備することとし、平成19、20両年度に締結した契約については、ロケットモータ単体で調達を行っていた。しかし、上記の単弾頭やその演習弾頭を保有していないため、組み合わせられる弾頭がない単体のロケットモータが多数倉庫に保管されたままとなっている事態が見受けられた。
したがって、防衛省において、今後、70㎜単弾頭弾等を装備するに当たり、既に保有しているロケットモータを活用することとする計画を早期に策定することにより、早期の活用を図ることとするよう、防衛大臣に対して24年10月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。
本院は、防衛省内部部局、装備施設本部、陸上幕僚監部等において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、防衛省は、本院指摘の趣旨に沿い、24年11月に保管しているロケットモータの全数を70㎜単弾頭等と組み合わせて活用することとして70㎜単弾頭等の調達に関する計画を策定して、25年2月に弾頭のみを調達することを指定して70㎜単弾頭等の調達要求を行い、同年3月に70㎜単弾頭等の製造請負契約を締結する処置を講じていた。