日本私立学校振興・共済事業団(以下「事業団」という。)は、私費外国人留学生のうち経済的に修学困難な留学生の負担の軽減を図るために授業料の減免を行う私立大学等に対して、平成22年度から、私立大学等経常費補助金(授業料減免特別補助)を交付している。しかし、22年度の補助金の交付額が大きい21学校法人の23私立大学等において、経済的に修学困難な留学生を対象とした授業料の減免に係る規程等を整備していなかったり、規程等を整備していても経済的に修学困難な状況を判断するための選考基準を明記していなかったりしていたため、留学生の経済状況に基づいた減免対象者の選考が行われていない事態が見受けられた。
したがって、事業団において、学校法人に対して、適切な選考基準が明記された規程等を整備させるとともに、規程等の整備状況、減免対象者の選考状況等に係る資料を交付申請の際に提出させてその内容を確認するなど審査体制を整備して、授業料減免特別補助の交付が制度の趣旨に沿って適切に実施されるよう、日本私立学校振興・共済事業団理事長に対して24年6月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求めた。
本院は、事業団において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、事業団は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。