日本中央競馬会(以下「競馬会」という。)は、調教師、騎手及びきゅう舎従業員に対して宿舎を貸し付けている。宿舎には、白線で自動車1台分の広さに区画された駐車場が併設されており、各区画が宿舎の入居者に割り当てられて専用で使用されている。しかし、宿舎貸付基準の貸付料算定基準には駐車場の使用料の徴収に関する規定がなく、宿舎の貸付料の算定においても駐車場の面積が含まれていないことなどから、競馬会が、宿舎の入居者が専用で使用している駐車場の使用料を徴収していないと認められる事態が見受けられた。
したがって、競馬会において、宿舎貸付基準の規定を整備することなどにより、駐車場の使用料を徴収する処置を講ずるよう、日本中央競馬会理事長に対して平成24年10月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。
本院は、競馬会本部において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、競馬会は、本院指摘の趣旨に沿い、25年5月に宿舎貸付基準を改正して、駐車場等の付帯設備全般の使用料の徴収が明確となるよう新たに付帯設備に係る基準表を定めて、26年1月から適用することとする処置を講じていた。