国立大学法人大阪大学(以下「大阪大学」という。)は、大学構内に自動販売機、売店等(以下、これらを合わせて「自販機等」という。)を設置させるための施設の貸付けに係る契約を締結している。しかし、競争性及び透明性を確保しないまま一般財団法人恵済団(以下「恵済団」という。)と随意契約を締結していたり、恵済団が自販機等の設置及び運営を委託している販売会社等に施設の貸付けを直接行っていれば得ることができた適切な利益を享受していなかったりする事態が見受けられた。
したがって、大阪大学において、契約の相手方については原則として自販機等の設置及び運営を自ら行う販売会社等を対象として競争性及び透明性を確保した上で決定するとともに、施設の貸付けに係る契約については自販機等の収支等を踏まえた上でその売上額に応じた手数料等の支払を受けることとするなどして、自販機等の運営による適切な利益を享受できるよう、国立大学法人大阪大学学長に対して平成24年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求めた。
本院は、大阪大学において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、大阪大学は、本院指摘の趣旨に沿い、24年9月に、恵済団が販売会社等に自販機等の設置及び運営を委託している施設の貸付けに係る随意契約の見直し計画を決定して、27年度を目途に全て企画競争契約へ移行することとしている。そして、飲料の自動販売機の設置に係る施設の貸付けについては、25年2月に、企画競争により競争性及び透明性を確保するとともに、大阪大学に売上額の一定割合を拠出金として支払うことなどとする契約を販売会社と締結する処置を講じており、その他の施設の貸付けについては、順次企画競争契約へ移行するとともに、自販機等の運営による利益を享受できるよう改善を図ることとしている。