四国旅客鉄道株式会社(以下「会社」という。)は、交番検査等の車両の定期検査を直営及び請負により実施している。しかし、請負契約により実施している交番検査において、一部の検査項目が実施基準等に基づいて実施されていなかったり、記録表が示方書等に基づいて作成されていなかったりしていて、会社による請負契約の履行確認が十分に行われていなかったり、車両の保守管理を行うために検査記録を有効に活用できない状況になっていたりする事態が見受けられた。
したがって、会社において、車両の定期検査が実施基準等や示方書等に基づき実施され、検査の結果が適切に記録されて報告されるように記録すべき項目を明確にして請負契約の履行確認を適切に行うなど、請負人に対する指導、監督等が適切に行われるよう体制を整備するとともに、実施基準等や示方書等の遵守と検査記録の適切な整備について運転所等へ周知する処置を講ずるよう、四国旅客鉄道株式会社代表取締役社長に対して平成24年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求めた。
本院は、会社の本社において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、会社は、本院指摘の趣旨に沿い、記録項目を明確にした記録表を制定するなどして、請負契約の履行確認を適切に行い、請負人に対する指導、監督等が適切に行われる体制を整備するとともに、25年5月に運転所等に対して文書を発するなどして、実施基準等や示方書等の遵守と検査記録の適切な整備について周知するなどの処置を講じていた。