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  • 平成24年度 |
  • 第3章 個別の検査結果 |
  • 第3節 不当事項に係る是正措置等の検査の結果

第2 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項に係る処置の履行状況について


検査対象
34省庁等
検査の概要
本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項として検査報告に掲記したものについて、当該処置が履行されるまでその履行状況を継続して検査するもの
改善の処置の履行状況を検査した本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項の件数
78件(検査報告 平成15年度〜23年度)

1 本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項に関する検査の概要

(1) 検査の概要

本院は、検査の過程において会計検査院法第34条又は第36条の規定による意見表示又は処置要求を必要とする事態として指摘したところ、その指摘を契機として省庁及び団体(以下「省庁等」という。)において改善の処置を講じたものを、検査報告に本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項(以下「処置済事項」という。)として掲記している。

一方、本院は、毎年次策定している会計検査の基本方針にのっとり、検査の結果が予算の編成・執行や事業運営等に的確に反映され実効あるものとなるように、その後の是正改善等を継続して検査することとしている。検査報告に掲記した処置済事項についても、省庁等が制度を改めるなどの改善の処置が履行されること(改善の処置に基づき、その後の会計経理等が適切に行われることをいう。以下同じ。)により初めて実効あるものとなることから、当該改善の処置が履行されるまでその履行状況を継続して検査している。

(2) 平成23年度決算検査報告に掲記した改善の処置の履行状況

本院は、平成23年度決算検査報告に、平成14年度から22年度までの検査報告に掲記した処置済事項のうち、平成22年度決算検査報告において改善の処置の履行状況を継続して検査していくこととしていた100件から、検査報告掲記時点で既に履行済であったため検査の必要がなかった5件を除いた95件についての検査の結果を掲記した。

その内訳は、改善の処置が履行されていたもの(以下「履行済」という。)が61件、検査した範囲では改善の処置が履行されていたもの(以下「検査分履行済」という。)が33件、改善の処置が一部履行されていなかったもの(以下「一部不履行」という。)が1件となっており、改善の処置が全く履行されていなかったもの(以下「不履行」という。)は0件となっていた。

そして、上記の検査分履行済33件と一部不履行1件との計34件及び平成23年度決算検査報告に新たに掲記した処置済事項53件の合計87件について、改善の処置の履行状況を継続して検査していくこととした。

2 検査の結果

(検査の観点、着眼点、対象及び方法)

本院は、合規性等の観点から、改善の処置が履行されているかなどに着眼して、上記の87件のうち、検査報告掲記時点で既に履行済であったなどのため検査の必要がなかったもの(以下「検査の必要がなかったもの」という。)7件、及び今年次は履行状況の検査の対象となる会計経理等の実績がなかったことから検査を実施しなかったもの(以下「検査の対象となる会計経理等の実績がなかったもの」という。)2件を除いた78件について、24年8月から25年7月までの間に、関係する34省庁等のうち、32省庁等において会計実地検査を行うとともに、2団体については、報告を求めて、その報告内容を確認するなどの方法により検査した。

(検査の結果)

上記の78件について改善の処置の履行状況を検査したところ、履行済が45件、検査分履行済が33件となっており、一部不履行及び不履行は0件となっていた。これを、平成23年度決算検査報告に掲記した処置済事項に係る改善の処置の履行状況と、15年度から22年度までの検査報告に掲記した処置済事項に係る改善の処置の履行状況とに分けて記述すると、次のとおりである。

(1) 平成23年度決算検査報告に掲記した処置済事項に係る改善の処置の履行状況

平成23年度決算検査報告に掲記した処置済事項53件のうち、検査の必要がなかったもの6件及び検査の対象となる会計経理等の実績がなかったもの1件を除いた46件について検査したところ、履行済が33件、検査分履行済が13件となっていた。

(2) 15年度から22年度までの検査報告に掲記した処置済事項に係る改善の処置の履行状況

15年度から22年度までの検査報告に掲記した処置済事項のうち、改善の処置の履行状況を継続して検査していくこととしていた34件のうち、検査の必要がなかったもの1件及び検査の対象となる会計経理等の実績がなかったもの1件を除いた32件について検査したところ、履行済が12件、検査分履行済が20件となっていた。

なお、平成23年度決算検査報告の一部不履行1件については、改善の処置が履行されていたことから、上記の履行済12件に含まれている。

上記の(1)及び(2)に係る改善の処置の履行状況を検査報告年度別及び省庁等別に示すと、表1及び表2のとおりである。

表1 検査報告年度別の改善の処置の履行状況

(単位:件)
検査報告年度 改善の処置の履行状況を継続して検査していくこととした処置済事項(A)
検査の必要がなかったもの(B) 検査の対象となる会計経理等の実績がなかったもの(C) 検査対象の処置済事項(A)—(B)—(C)
改善の処置の履行状況
履行済 検査分履行済 一部不履行 不履行
15年度 1 1 1
17年度 1 1 1
18年度 1 1 1
19年度 4 4 2 2
20年度 6 6 3 3
21年度 6 6 3 3
22年度 15 1 1 13 2 11
34 1 1 32 12 20
23年度 53 6 1 46 33 13
合計 87 7 2 78 45 33

表2 省庁等別の改善の処置の履行状況

(単位:件)
省庁等名(平成25 年7 月31 日現在) 検査対象の
処置済事項
改善の処置の履行状況
履行済 検査分履行済 一部不履行 不履行
内閣府(警察庁) 1 1
総務省 3 2 1
法務省 7 1 6
外務省 2 1 1
財務省 1 1
文部科学省 2 1 1
厚生労働省 7 2 5
農林水産省 9 5 4
経済産業省 2 2
国土交通省 5 3 2
防衛省 3 2 1
株式会社日本政策金融公庫 1 1
日本銀行 2 1 1
東日本高速道路株式会社 2 2
中日本高速道路株式会社 2 2
西日本高速道路株式会社 2 2
独立行政法人国立青少年教育振興機構 1 1
独立行政法人森林総合研究所 1 1
独立行政法人水産総合研究センター 1 1
独立行政法人海技教育機構 1 1
独立行政法人国立印刷局 2 2
独立行政法人北方領土問題対策協会 1 1
独立行政法人国際協力機構 1 1
独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 1 1
独立行政法人科学技術振興機構 1 1
独立行政法人日本貿易振興機構 1 1
独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構 1 1
独立行政法人海洋研究開発機構 1 1
独立行政法人都市再生機構 1 1
独立行政法人日本原子力研究開発機構 1 1
阪神高速道路株式会社 1 1
東日本電信電話株式会社 4 1 3
西日本電信電話株式会社 6 6
株式会社ゆうちょ銀行 1 1
78 45 33

3 検査の状況

処置済事項については、省庁等において改善の処置を講じた事項に係る処置が確実に履行されることが肝要である。

本院は、前記の検査分履行済33件、検査の対象となる会計経理等の実績がなかったもの2件及び平成24年度決算検査報告に掲記した処置済事項64件の計99件について、改善の処置の履行状況を継続して検査していくこととする。