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  • 平成25年度|
  • 第3章 個別の検査結果|
  • 第1節 省庁別の検査結果|
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  • 補助金

(8) 地域自主戦略交付金(産業教育施設の整備に関する事業)等が過大に交付されていたもの[5道県](49)-(53)


5件 不当と認める国庫補助金 72,270,000円

地域自主戦略交付金(産業教育施設の整備に関する事業)(平成22年度以前は安全・安心な学校づくり交付金。以下「施設交付金」という。)は、「義務教育諸学校等の施設費の国庫負担等に関する法律」(昭和33年法律第81号)等に基づき、地方公共団体が作成した公立の義務教育諸学校等の施設の整備に関する施設整備計画に基づき実施する施設整備事業に要する経費に充てるために、国が地方公共団体に対して交付するものである。

地域自主戦略交付金交付要綱(学校施設環境改善に関する事業)(平成23年文部科学大臣裁定)等によれば、施設整備事業の一つである高等学校において産業教育のための実験実習施設と一体として使用される装置(以下「特別装置」という。)の整備に係る事業(以下「特別装置整備事業」という。)については、施設の改修等に伴い装置を整備するものであって、事業に要する経費が1高等学校当たり1000万円以上である場合に限り、施設交付金の交付対象にすることができることとされている。

また、総務省所管の地域活性化・経済危機対策臨時交付金は、地域活性化・経済危機対策臨時交付金制度要綱(平成21年府地活第11号、総行政第185号等)等に基づき、地域活性化等の速やかかつ着実な実施を図ることを目的として、地球温暖化対策、少子高齢化社会への対応、安全・安心の実現、その他将来に向けた地域の実情に応じた地域活性化等に資する事業を行うために、地方公共団体が作成した地域活性化・経済危機対策実施計画に基づき実施する事業に要する費用のうち、地方公共団体が負担する経費に対して、国が交付するものである。そして、施設交付金の交付を受けて実施される特別装置整備事業は、地域活性化・経済危機対策臨時交付金の交付対象にすることができることとなっている。

本院が、18道県において会計実地検査を行ったところ、5道県において、施設の改修等を伴わずに整備した特別装置に係る事業を施設交付金の交付対象に含めるなどしていたため、施設交付金及び地域活性化・経済危機対策臨時交付金が過大に交付されていて、不当と認められる。

このような事態が生じていたのは、5道県において、施設交付金及び地域活性化・経済危機対策臨時交付金の交付要綱等の理解が十分でなかったことなどによると認められる。

前記の事態について、事例を示すと次のとおりである。

<事例>

北海道は、平成21、22両年度に道立室蘭工業高等学校等3校及び道立森高等学校等11校における特別装置整備事業等を対象として、文部科学省から施設交付金21年度543,141,000円、22年度269,534,000円の交付を受けて上記の事業等を実施していた。また、21年度に総務省から地域活性化・経済危機対策臨時交付金17,367,913,000円の交付を受けて、上記の道立室蘭工業高等学校等3校における特別装置整備事業に要した経費に23,942,500円を充当していた。

しかし、北海道は、道立室蘭工業高等学校及び道立森高等学校で実施した特別装置整備事業において、既設のOAフロアを利活用して、施設の改修等を伴わずにパソコン等の特別装置を整備していた。

したがって、両校における特別装置整備事業は施設交付金の交付対象にすることができず、また、これにより、地域活性化・経済危機対策臨時交付金の交付対象にもならないこととなる。このため、適正な施設交付金の交付額を算定すると21年度538,899,000円、22年度264,418,000円となり、また、適正な地域活性化・経済危機対策臨時交付金の交付額を算定すると21年度15,882,500円となることから、施設交付金21年度4,242,000円、22年度5,116,000円、地域活性化・経済危機対策臨時交付金21年度8,060,000円、両交付金の合計額17,418,000円が過大に交付されていた。

以上を部局等別に示すと次のとおりである。

部局等 補助事業者(事業主体) 交付金の種類 年度 交付金の交付額 不当と認める交付金の交付額 摘要
千円 千円
(49) 北海道、総務本省 北海道 施設交付金、地域活性化・経済危機対策臨時交付金 21、22 836,617 17,418 施設の改修等を伴わずに整備した特別装置を交付対象としていたもの
(50) 愛知県 愛知県 施設交付金 21 139,924 5,621
(51) 奈良県 奈良県 22 7,787 7,787
(52) 香川県 香川県 20 47,281 7,070 特別装置整備事業に要する経費が1高等学校当たり1000万円未満であったもの
(53) 大分県 大分県 20、22、23、24  419,725 42,434 施設の改修等を伴わずに整備するなどした特別装置を交付対象としていたもの
(49)-(53)の計 1,427,392 72,270

(金額を合計する際には、総務省所管の地域活性化・経済危機対策臨時交付金に係る金額(総務省の項「地域活性化・経済危機対策臨時交付金等で改修等を行った施設が利活用されておらず、補助の目的を達していなかったなどのもの」に掲記)を控除している。)