海上保安庁本庁(以下「本庁」という。)及び各管区海上保安本部(以下、管区海上保安本部を「海上保安本部」という。)は、巡視船艇に搭載する武器等の製造・定期整備を行うに当たり、随意契約を締結している。しかし、契約における見積工数と実績工数等が大幅にかい離しているにもかかわらず、契約締結時に確定した契約金額をもって相手方に契約代金を支払う確定契約により契約を締結していたり、製造等原価を確認するための調査を行うための条項を付していなかったり、実績に基づかない見積書の提出を受け続けていたりするなどの事態が見受けられた。
したがって、本庁において、製造等原価の実績等に基づいて契約代金の額を確定する契約方法に見直した上で当該契約方法を適切に運用するための実施要領を定めるよう、また、本庁及び各海上保安本部において、見直された契約方法を適切に運用するとともに、必要に応じて製造等原価を確認するための調査を行うことができるとする条項及び実績に基づかない見積書等の虚偽の資料を提出又は提示した場合に違約金を賦課することとする条項を契約に付すよう、海上保安庁長官に対して平成25年9月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。
本院は、本庁及び各海上保安本部において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、海上保安庁は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。