国土交通省は、橋りょうの長寿命化修繕計画(以下「計画」という。)を自ら策定する一方、毎年度、定期点検及び診断を業務委託により行っている。また、都道府県等においても、毎年度、定期点検、診断及び計画の策定を業務委託により行っており、これに対して国土交通省は多額の交付金を交付している。しかし、道県等において、橋りょう台帳等に記載されている橋りょうについて、その重要度等を勘案することなく一律に定期点検の対象としたり、国道事務所等及び道県等において溝橋(以下「カルバート」という。)を定期点検の対象としたりしている事態が見受けられた。
したがって、国土交通省において、都道府県等における計画の策定に当たり、橋りょう台帳等に記載されている橋りょうを一律に定期点検の対象とするのではなく、道路管理者の判断により橋りょうの重要度等を勘案した上で定期点検を行うことについての考え方を明確にして都道府県等に対して周知するとともに、同省における計画の策定に当たり、カルバートの取扱いを含めた定期点検の対象とすべき橋りょうの定義を明確にしたり、この定義を都道府県等に対して周知したりするよう、国土交通大臣に対して平成25年10月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。
本院は、国土交通本省において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、国土交通省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。