防衛省は、自衛隊法(昭和29年法律第165号)等に基づき、普段は社会人として働くなどしながら、防衛招集命令、災害招集命令等により招集された場合は、第一線の部隊が移動した後の駐屯地警備、後方支援、災害救助活動等の任務を担う予備自衛官の制度を設けており、予備自衛官は、必要となる練度の維持を図るために、毎年度、5日間の訓練を受けることとなっている。しかし、正当な事由によらないで、年度内の訓練招集に全く出頭していなかったり、年度内の訓練日数が5日未満であったりしている予備自衛官に対して、訓練招集等に応ずることで支給される予備自衛官手当が支給される結果となっており、このような状況に対して特段の対応を執っていない事態が見受けられた。
したがって、防衛省において、年度内に訓練招集に出頭しない予備自衛官の実態を十分に把握して、訓練への参加の意思が明確でない予備自衛官について訓練参加の確保のための方策を検討したり、陸上幕僚監部に対して予備自衛官に関する業務を正確かつ円滑に実施するための予備自衛官等業務マニュアルの見直しをさせたりするなどして、予備自衛官手当の一層の適切な支給の確保を図るとともに、各地方協力本部に対して、予備自衛官手当の支給の趣旨の周知徹底を改めて図ったり、予備自衛官が訓練の延期を希望した場合における次回の訓練への参加の確保を図るために必要な方策を検討して実施することについて周知徹底を図ったりするよう、防衛大臣に対して平成25年10月に、会計検査院法第36条の規定により改善の処置を要求した。
本院は、防衛省内部部局、陸上幕僚監部及び4地方協力本部において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、防衛省は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。