日本中央競馬会(以下「競馬会」という。)は、場外勝馬投票券発売所(以下「場外発売所」という。)及び競馬場の施設に自動販売機及び飲食物、競馬新聞等を販売する売店や食堂(以下「売店等」という。)を設置させるために、これらの設置場所となる施設の一部等を子会社等に貸し付けている。しかし、自動販売機及び売店等の設置及び運営を行う販売会社を直接競争により選定して自ら契約を行うことができるのに、販売会社に自動販売機及び売店等の設置及び運営を委託している子会社等に、随意契約により設置場所となる施設の一部等を貸し付けていたり、競馬開催に伴う来場者を販売の対象としているのに、販売により生じた利益を子会社等に帰属させていて競馬会が享受していなかったりしている事態が見受けられた。
したがって、競馬会において、子会社等に対する随意契約による施設の貸付けを廃止して、原則として競争により選定した自動販売機及び売店等の設置及び運営を自ら行う販売会社等と競馬会が契約を行うこととするとともに、販売会社等との契約に当たっては、競馬会が売上額の多寡を反映した管理料等の支払を受けることができるようにするよう、日本中央競馬会理事長に対して平成23年10月に、会計検査院法第34条の規定により是正改善の処置を求めた。
本院は、競馬会本部及び競馬場において、その後の処置状況について会計実地検査を行った。
検査の結果、競馬会は、本院指摘の趣旨に沿い、次のような処置を講じていた。